シンジャル山脈のクルド軍がイスラム国掃討に自信

2015.1.9


 military.comによれば、先週、シリア国境に近い戦略的な尾根、イラクのシンジャル山脈(Sinjar・kmzファイルはこちら)の斜面から眺めを調べたとき、クルド人戦闘員、23歳のナヴィタ・アーイェン(Navita Aryen)はイスラム国との戦闘に楽観的でした。

 草を食べる羊とシンジャル市から逃れた人たちのテントの彼方に、クルド軍と市街戦を戦うイスラム国の狙撃兵に苦しめられているものの、彼女は街の外へシリア国境へ向かって続く道路を見ることができました。

 「あれはモスル(Mosul・kmzファイルはこちら)のイスラム国にとって命をつなぐ静脈よ」とアーイェンは道路について言いました。道路は約50マイル東方、イラクで2番目の都市、現在は過激派に支配されるモスルへ通じます。「一旦、私たちが彼らを遮れば、彼らを他の地域へ動かせます」。

 しかし、イスラム国は資源をシンジャルとスンニ派とシーア派が混じる、モルスへの途上にあり、軍用空港があり、人口200,000人のタル・アファル(Tall Afar)へ移動したため、どれだけ早くに本当に鎮圧できるかは疑問視されています。

 先週、シンジャル山のペシュ・メルガ(peshmerga)の指揮所で、クルド人当局サイード・シンガリ(Saeed Shingali)は、イスラム国戦闘員は最近の空襲で弱められ、空襲は重装甲の車両と士気を下げたと言いました。ペシュ・メルガ戦闘員がトラックに荷物を積み込み、戦いを続けるために山を下りる準備をするとき、「彼らは防御態勢へ転換しました」と彼は言いました。

 ペシュ・メルガ指揮官、サイド・カシム(Said Qasim)が自動ライフル銃を手にして到着し、彼の軍隊がここ数日でこの地域の支配を強化したので、過激派たちの補給品は減ったと言いました。少数しか増員されず、戦闘員は自暴自棄になっていると、彼は言いました。「これは弱さです。タル・アファルからの道路は、彼らが補給品を受け取れるように、まだ開いていますが、我々は彼らが携帯無線電話で補給品を要請し、迫撃砲が4門残るだけだと言うのを聞いています」。しかし、彼は「国境から彼らを切り離さない限り、この地域を鎮圧する方法はありません」と付け加えました。

 国境沿いの町と村は爆破された建物、瓦礫が散乱する通り、IEDを記した赤旗がある野原の荒野です。シノニ村(Sinoni)では、放棄されたイスラム国の戦車が、クルドの旗を頭に結んだ戦闘員、ジェンガナ・アクバル(Jengana Akbar)の近くにありました。彼は最近、頭を切断されたヤジディ派の男がイスラム国に捨てられているのを発見したと言いました。

 ナエフ・カシム市長(Mayor Nayef Qasim)は先週、予備のオフィスに戻り、かつて148,000人が住んでいた、彼の街と周辺の集落45ヶ所を取り戻そうとしました。ヤジディ派のカシムは、クルド人戦闘員はモスルを奪還しなければならないが、最初にシリアの出荷を止め、イスラム国がもっと荒れた地形のアンバル州を通って南へ回り道させなければならないと言いました。「アンバル州への道は砂漠で、厳しい」「しかし、ここ国境は渡るのが簡単です」。クルド人戦闘員がイスラム国を分断し、国境地域を支配するには、より多くの空襲とよりよく装備された軍隊が必要だと、彼は言いました。

 米軍広報官、ネイサ・N・ウィリアムズ少佐(Maj. Neysa N. Williams)は、空爆に関する決定はイラク軍と調整される必要があると言いました。彼女はシンジャル地域を鎮圧する戦略的重要性に関しての疑問を逸らし、「我々の目的はイラク軍が自立し、イラクが自国国境を守り、イスラム国のような別のグループが生じることを防ぐようにすることです」と言いました。

 元国境警察官のガージー・カラフGhazi Khalaf)は、クルド軍が領域の太い帯地帯を鎮圧することに楽観的ではありませんでした。「彼らが地域を奪還するとしても、それは警察にはあまりに大きな境界線です」と彼の兄弟、野菜商人のファイサル・カラフ(Faisal Khalaf)は言いました。彼らはペシュ・メルガの指揮官がシンジャル鎮圧を宣言し、どこか他へ移動し、この地域にまた現れて、奪還しかねないイスラム国に任せることを心配しています。「指揮官たちが立ち去るとき、我々がどうすると思いますか?」と元警察官は言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 クルド人がシンジャル地域を鎮圧することは疑う余地はありません。増援もなく、補給品もなく、迫撃砲も残り僅かです。これらは米軍などの空爆で一瞬で消滅する可能性があります。そうなると、あとは接近戦で数が多いクルド人が勝つという筋書きになります。

 奪還後の心配は、イラク軍の進展度に依存しますが、それを心配しても仕方がありません。まずは、シンジャルを占領し、イスラム国のモスルへの補給ルートを遮断することです。

 シンジャルからタル・アファルまでは47号線があり、アル・アファルの先で1号線に接続し、そこからモスルまで行けます。モスルは先日、奪還したバイジにつながります。

 こうした地勢からイラク軍がバイジに増援を送り、モスルを南から、クルド人は彼らの首都、アルビル(Arbil・kmzファイルは こちら)からモスル東部へ進撃して攻め落とすのが理想です。街の中心部には川が流れていますから、北東部をクルド人が、南西部をイラク軍が担当します。

 こうなると、イスラム国はシンジャルに増援を送るどころではありません。シンジャルを担当した部隊は一部は転戦できても、当面はシンジャル・ルートを遮断するために留まることになるでしょう。

 これらの作戦に成功すれば、イラクのイスラム国はかなり弱体化するはずです。

 


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