南スーダンで少数派閥がこども兵280人を解放

2015.1.28


 BBCによれば、南スーダン民兵は未成年の戦闘員約3,000人を解放する取引の一環として、こども兵280人を解放したと、ユニセフは言いました。さらなる解放はここ数週間に行われます。

 兵士たちは、現在、政府と和平を結んだ武装グループに徴用されました。

 別の反政府民兵たちは2013年以降、内戦に釘付けとなっています。

 ユニセフによれば、南スーダンで数年にわたり、約12,000人の子供が武装グループによって強制的に徴用されました。

シルヴア(Silva・11歳)の実例

わたしは2年以上、戦っていました。
わたしはお母さんとお父さんに昨年の夏以来、会っていませんでした。 
任務の時に、わたしは多くの人が殺されるのを見ました。
わたしはAK-47を持っていました。
それは重たかったです。
わたしは家族と村を守るために戦っていました。
いま、わたしは学校に行き、勉強がしたいです。
わたしはもう戦いたくありません。わたしは恐いのです。

 解放される若い戦闘員3,000人は南スーダン民主軍コブラ派(the South Sudan Democratic Army Cobra Faction)と呼ばれていました。

 ムルレ族(Murle)のためにより大きな権利を勝ち取るために戦っているグループは2013年12月に勃発した反乱には加わりませんでした。

 しばしば家畜襲撃と報復攻撃に関与する、デビッド・ヤウ・ヤウ(David Yau Yau)が率いるグループは、ジョングレイ州(Jonglei)のピボア郡(Pibor)で、ほぼ4年間戦っていました。

 「これらの子供たちは子供が経験すべきでないことをしたり、見たりすることを強制されました」と、ユニセフの南スーダン代表、ジョナサン・ビーチ(Jonathan Veitch)は言いました。ユニセフは復員されたこども兵を家族と再会させることにしています。


 記事は一部を紹介しました。

 これまで南スーダンは内戦に関わっている大統領派のディンカ族と元副大統領派のヌエル族の二つの主要派閥が争っていましたが、少数派閥も存在し、その一つが大統領派に帰属したのです。

 ムルレ族はこども兵を使うことで知られており、国連がこれを機会にこども兵を解放させたようです。さらに、未成年の兵士の武装解除も行う予定です。これが国連の仕事なのです。実にいい仕事をしてくれたと思います。

 このように、これが現在の世界の実態です。子供多数を誘拐して兵士に仕立て上げるなど、 朝飯前というべきなのです。日本人2人が誘拐された事件も、これらの事件に比べるとかすんでしまいます。

 イラク北部では、クルド人がイスラム国民兵を追い詰め、すでにモスルを砲撃し、タル・アファルを包囲したと発表しています。彼らはイスラム国民兵の死体の山を築いて雄叫びをあげています。

 まさに矛盾だらけの世の中なのです。

 誘拐された後藤健二氏はこういう子供たちを取材していたことも忘れるべきではありません。

 ヨルダン政府がどういう判断をするかは不明ですが、その結果、後藤氏について最悪の結果が起きたとしても、決してヨルダン政府を恨んではいけません。今から、心の準備をしておくことも、ショックを受けないために大事です。

 その一方で、どうすれば人質が解放されるかも真剣に考える。

 狂っているようですが、これが正常な考察なのです。

 もう一つ、もし、このこども兵が政府軍と対立して、首都に攻め込んだら、自衛隊はこの子供たちに向けて発砲しなければいけなかったでしょう。そんな場所に自衛隊がいることも、日本国民に考えて欲しいことです。

 


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