イスラム国の戦況に関する3つの記事

2015.1.23


 alarabiya.netによれば、米主導の空爆はイスラム国の指導者半数以上を殺害したと、スチュアート・ジョーンズ米イラク大使(Stuart Jones)は言いました。

 イラク政府が米政府がイスラム国を殲滅するために十分なことをしていないと批判した後、ジョーンズ大使は空爆はイスラム国に壊滅的な効果を与えたと説明しました。「我々は空爆が現在、シリアとイラクのイスラム国戦闘員6,000人以上を殺したと見積もります」。空爆はイラク国内のイスラム国の車両千台以上を破壊しました。統計はそれ自体は重要ではないとしながらも、それらは「イスラム国の弱体化」を示していると彼は言いました。「イラク国内でイスラム国が軍に補給できないことを示します」。

 イラク北部のクルド軍は水曜日、彼らが約500平方キロの領域からイスラム国武装勢力を掃討し、モスル(Mosul)とシリアに近い西方の拠点間のイスラム国の主要な補給路を破壊したと言いました。前夜にはじまったクルド軍は空爆に支援されました。

 alarabiya.netによれば、水曜日、クルド軍はイスラム国に対する攻勢を開始し、イラク北部のイスラム国支配地域の主要なエリア2ヶ所をつなぐ道路を遮断しました。

 クルド地域保安協議会はペシュ・メルガが大規模な攻勢を午前7時に開始したと言いました。

 この動きはイスラム国の拠点モスルとタル・アファル(Tal Afar)の間の道路を遮断したとクルド治安当局者は言いました。

 米主導の同盟軍は二つの地域に火曜日から水曜日にかけて6回の空爆(タル・アファル3回、モスル3回)を行いましたが、攻撃場所の詳細は不明です。攻撃は車両、イスラム国部隊、建物、重火器、橋を含んだ目標に命中したと声明は言いました。

 alarabiya.netによれば、水曜日に米主導の同盟軍はイスラム国の攻撃目標をイラクで21ヶ所、シリアで10ヶ所空爆しました。

 イラクの空爆16回はモスル(Mosul)周辺に集中し、戦術部隊、車両、橋、大砲システムに命中させ、排水溝6ヶ所を破壊しました。

 イラクでの他の攻撃はシンジャル(Sinjar)、タル・アファル、キルクーク(Kirkuk)付近でした。

 コバネ(Kobane)付近のイスラム国民兵へは過去24時間以内に9回攻撃しました。別の1回の攻撃はラッカ(Raqqa)付近の武器貯蔵施設でした。


  記事は一部を紹介しました。

 先日、泥憲和氏から、イラク軍がモスルを攻撃する準備をしているとイスラム国が警戒しているとの投稿を受け取っていました(投稿はこちら)。今日の情報はこの観測を裏づけています。

 先日から、シンジャルでの戦闘について紹介してきました。シンジャルはモスルからタル・アファルを経てシリア国境へ行く途中にあります。シンジャルの街はまだ陥落していないものの、隣接する山脈は占領しています。さらに、そからモスルに近いタル・アファルから東側を占領したのなら、モスルへの補給路は完全に切れたということです。

 空爆が集中するのは、攻勢の準備のためです。モスルに対して一日で16回も空爆が集中したのは攻撃前に敵戦力を減衰させる目標があると考えられます。

 この調子なら一ヶ月程度で攻略の準備が整うかも知れません。

 昨夜、ツィッターでアラビア語の発言を翻訳ソフトで英語に翻訳していたら、モスルの郊外にペシュ・メルガはいないという意味の文がありました。すでに地元ではモスルに対する攻撃が近いとの観測が流れているようです。あとは、いつ攻撃が始まるかが話題になっているのでしょう。

 


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