イスラム世界で風刺漫画に対する抗議が暴徒に発展

2015.1.17


 BBCによれば、ニジェールの2番目の都市、ジンデル(Zinder)で、フランスの雑誌シャルリー・ヘブド(Charlie Hebdo)に対する暴力的抗議で、少なくとも4人が死亡しました。

 襲撃され、放火された建物の中に、いくつかの教会とフランス文化センターがありました。金曜日はイスラム世界で預言者ムハンマドの漫画を出版した雑誌に対して抗議が見られました。雑誌に対する抗議は金曜日にパキスタンでもあり、カラチでは抗議者が暴徒と化し、スーダンの首都ハルツーム(Khartoum)とアルジェリアの首都アルジェ(Algiers)でも起こりました。

 警察官1人と民間人3人が、金曜の祈りの後、ジンデルでの抗議で殺されたと警察筋は言いました。「抗議者の一部は弓矢と棍棒で武装していました。一部の場所では衝突は非常に激しくなりました」。ある大臣は負傷者が多数出たといいました。

 地元住民は抗議者が教会に放火し、キリスト教徒が経営する店を襲撃したと言いました。「抗議者たちは、シャルリーは悪魔だ。シャルリーを支持する者たちを恐怖に叩き込め、と地元のハウサ語で叫んでいます」。

 フランス文化センターも攻撃を受けました。センター長のカウミ・バワ(Kaoumi Bawa)は、怒れる群衆約50人が建物のドアを壊し、カフェテリア、図書館、事務所に放火したと言いました。


 ユーモアというものは、親しい仲で通じるものであり、シャルリー・ヘブドの漫画はフランス人しか笑えず、反発を感じる者たちは多いと考えるべきでしょう。出版社襲撃事件はテロ行為として許されないとはいえ、現在進行中の他のテロ事件に比べると、ごく小規模です。

 BBCによれば、イスラム国は過去24時間で15人を処刑しました。高い建物から男を投げ落としたり、銃殺する前に磔にして公衆の目にさらして被害者を殺害しています。

 シャルリー・ヘブド襲撃事件の被害者と同じくらいの犠牲者は、このニュースのように毎日発生しているのです。これらを無視して、襲撃事件だけを強調するのなら、それは二重基準であり、格差を生む根源であり、テロリズムを生む原因なのです。テロは常に貧者が富者を攻撃することで起こります。

 

 


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