シリア内戦の死者が19万人を越える

2014.8.23


 alarabiya.netによれば、国連人権高等弁務官は4月までにシリアで191,000人以上が紛争で死んだと言います。

 ナヴィ・ピレイ(Navi Pillay)は、この数字は「恐らくは過小評価」であり、この問題に関する「国際的な感覚の麻痺」を批判しました。

 数字は国連が1年前に予測したものの2倍以上です。国連の報告は、クロスチェックされた4つの異なるモニタリンググループとシリア政府のデータに基づきました。

 「残念ながら、数字は恐らく、この残虐な紛争の最初の3年間の間に殺された人の本当の総数を過小評価しています」と、国連人権高等弁務官のピレイ氏は言いました。「シリアの殺人者、破壊者、拷問者は、国際的な感覚の麻痺によって権限を持たされ、つけあがってきました」。

 死者の最高値はダマスカス州の39,393人で、アレッポ州の31,932人が続きました。


 記事は一部を紹介しました。

 ひどい数字が出ましたが、死者の数以上に隣国に溢れた難民の数も急増しているはずです。そして、イスラム国家というテロ組織が勃興しました。

 当サイトで何度も指摘してきましたが、シリア内戦を放置したことで、シリア国民の惨劇という問題だけでなく、テロ組織の成長という新しい問題を生んだことを、国際社会は考えなければなりません。まさに、ピレイ氏が言う、国際的な感覚の麻痺です。

 テロ問題に、国際社会が的確な対応をしたことは、これまでにないのだと思います。常に、見当違いの対策が当事国によってなされ、それでよしとされてきました。今後、対テロ対策の概念は、一層、改良されていかなければなりません。

 なお、別のalarabiya.netの記事が湯川遥菜氏の誘拐について、まとまった記事をようやく掲載しました(記事はこちら)。内容は既知のものが多く、彼の会社に電話したが誰も出ないとか、会社のホームページには彼が右翼活動家数人と共にいる写真があるといったことが、少し目新しい程度です。

 


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