クルド軍がモスルダムへ向けて進撃中
BBCによれば、クルド政府筋は、彼らの軍隊がイスラム国家からモスルダム(Mosul dam・kmzファイルはこちら)を奪還するための攻勢で前進していると言います。
クルド軍と米軍の空爆両方が関与する合同作戦は地元時間午前5時から進行中だと消息筋は言いました。
イラク北部に水と電気を供給する戦略的なダムは8月7日に民兵に占領されました。9日間連続の米軍の空爆は、ダムとイルビル(Irbil)の近くのイスラム国家の目標に対して土曜日に行われました。
3年前に米軍がイラクから去った時に置き去りにされ、後に民兵に奪われた装甲車を含めて、イスラム国家の民兵が乗った車両14台も攻撃されました。
イルビルにいるジム・ミュアー記者(Jim Muir)は、民兵は強大な力の脅威によってダムを去るよう説得される希望があると言います。
ダムが破壊されると、20m高の波をモスル(kmzファイルはこちら)とバグダッド(Baghdad・kmzファイルはこちら)に向けて送り、災害を起こしかねないため、特に重要な目標です。
記事は一部を紹介しました。
モスルダムは幅2kmを越える巨大なダムです。wikipedia.orgによれば、2003年に米軍主導のイラク侵攻が行われた時、米軍はイラク軍がこのダムを破壊する可能性を考えました。ダムの水位は110mで、ダムが決壊すると2時間で高波がモスルに到着します。しかし、ダムの労働者は勤務を続けており、ダムがすでにクルド人の支配下になっていることが確認され、懸念は払拭されたといいます。米陸軍工兵隊は、このダムを「世界で最も危険なダム」と呼び、漏れを防ぐためのグラウトの注入が続けられています。
しかし、大量の重たい土砂を吹き飛ばさないとダムは破壊できません。巨大な波を起こすために、ダム全体を同時に基底部から爆破する必要があります。そんなノウハウや装備がISILにあるかは疑問です。身の丈以上のものを手に入れても扱いきれないということです。
よって、心配すべきは、早くクルド人がダムを支配することで、電気と水の供給を安定化することで、そのために攻勢をかけているのです。ダムの決壊はそれほど心配する必要はありません。
なお、記事にはISILが行った虐殺についても書かれています。被害者を合計すると千人を超える内容です。
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