デリゾール油田がイスラム国家の手に

2014.7.5


 alarabiya.netによれば、金曜日、イスラム武装勢力がイラクの近くと、トルコ国境の間近にあるシリアの油田を占領しました。

 人権団体「The Syrian Observatory for Human Rights」は『イスラム国家(the Islamic State)』が金曜日早くに、アル・タナク油田(al-Tanak)を占領したと言いました。別のグループ、デリゾール(Deir el-Zour)の活動家の共同体も占領を報告しました。両方の油田は別の反政府グループから奪われました。

 スンニ派武装勢力は現在、デリゾールから国境町、ボウカマル(Boukamal)までの回廊をほぼ完全に支配しています。

 過去3日間、イスラム国家の戦闘員はトルコに向かうユーフラテス川を北方へ強く攻勢をかけ、国境から18kmにある町を砲撃したと人権団体は言いました。地元の活動家、アーメド・アル・アーメド(Ahmed al-Ahmed)もそれを認めました。両者は、反政府派の拠点、アークタリン(Akhtarin)への砲撃は、別のコミュニティ2ヶ所の占領に続いて起きたと言いました。

 military.comによれば、イギリスのシンクタンク『the International Institute for Strategic Studies』が、イラン戦闘機がイラク軍を支援するためイラクに到着したと報じました。

 アナリストのジョセフ・デンプシー(Joseph Dempsey)は、イラク国防省が発表したビデオ映像に見られる3機のSu-25の機番がイラン空軍の番号と一致すると言いました。湾岸戦争以来、イラクはこの種の飛行機を持っていないため、彼は航空機はイラク人ではないパイロットが操縦していると指摘しました。


 記事は一部を紹介しました。

 デリゾールは昨年秋にはイスラム国家ではない反政府派の手にありました(関連記事はこちら)。それは、とりあえずシリア政府の手から石油を奪うという点では歓迎できましたが、イスラム国家が握ったとなると、話は別です。自由シリア軍はこの方面では、最近、活動が見られません。シリア北東部は油田地帯でもあり、それらがすべてイスラム国家の手に落ちると、まずいことになります。

 イスラム国家は巨大になる前に勢力を落とす必要があるのですが、それができる国がないところが問題です。また、その実態も十分に明らかになっていません。

 イランが戦闘機を派遣したことが確認されました(元記事はこちら)。中東の既成権力と新興権力の戦いですが、それにイラクを支援するアメリカが参加することになります。この構造が機能するかに注目しましょう。

 


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