日本政府はアメリカに言われる前に発言を

2014.7.22


 読売新聞によれば、米国家安全保障会議(NSC)のメデイロス・アジア上級部長は21日、自民党の河井克行衆院議員とワシントン市内で会談し、ウクライナ東部でマレーシア航空機が撃墜された事件について、「国際社会が透明性のある調査をできるように、日本政府も発言してほしい」と要請しました。

 今回の事件について、米政府が日本に協力を求めるのは初めて。オバマ政権は、墜落現場を支配する親ロシア派武装集団が、証拠隠滅を図る動きを見せていることに強く反発しています。河井氏によると、メデイロス氏はこうした状況を踏まえ、「日本のしっかりした発言を期待している」と述べ、日本が明確な立場を示すよう求めました。河井氏はこれに対し、日本政府ができる限りの協力を行うという安倍政権の立場を説明しました。


 毎度のことですが、日本政府が軍事紛争に賢明な介入をしたことはありません。積極的に動くのは米政府からの要求があった時だけで、すばやく動けば動くほど、外務省に対する政治家、財界、マスコミ、国民の評価が高まります。

 しかし、国際的な平和を達成するという見地で外務省が動くことに対しては、誰も理解しようとしないのです。今回の民間機撃墜でも同じです。何もかも内向きの日本は、あえて何かする必要など考えていませんでした。

 空域を管理する能力を持たず、民間機を撃墜したウクライナの分離主義者が、ドネツク人民共和国を名乗ることに対しては日本政府はすばやく批判すべきでした。そういう習慣が日本政府にはないのです。

 こういう考え方が、日本を平和に貢献しない国にしてきました。現在、自衛隊が南スーダンという危険な地域で活動していますが、誰も本気で自衛隊が平和貢献しているとは考えておらず、「国益」のための活動と承知しているのです。

 先にロンドンで開催された、戦時の性暴力を防ぐサミットも然りです。こういうイベントを東京で開く程度の力を持つべきなのです。このサミットの意味が分からない日本は、まだ従軍慰安婦問題で考えを改められずにいます。

 「国益」だけで国家戦略を考えていると、他国から、日本はそういう国だと思われるだけです。

 こういう考えを改めるだけで、集団的自衛権を用いるよりも、日本の抑止力は高まるのです。

 


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