ウクライナ内紛は長期化の様相か

2014.6.3


 BBCによれば、NATO防衛大臣はウクライナに対するロシアの行動に関する長期的安全保障上の意味をはじめて議論することになっています。

 ブリュッセルの会議は、NATOのメンバー国が対応においてどのような措置を取らなければいけないかについても議論を集中させます。

 NATOとロシア政府との関係は3月にクリミア半島を併合した後、急速に悪化しました。月曜日、ロシア特使はNATOとの長年の協力条約を終わらせると脅しました。

 NATO高官は、防衛大臣は9月のイギリスでのサミットでNATO指導者に提出される前に、ロシアに関して基本的な決定をするだろうと言いました。当局者はロシアのNATO特使、アレキサンダー・グラシュコ(Alexander Grushko)は月曜日に見解の率直な交換があったと言いました。NATOメンバー国は、不法で非正統なクリミア半島併合に関する非常に強く明確な立場を繰り返したと、NATO公報のオアナ・ルンジェスク(Oana Lungescu)は言いました。彼女は「彼らは併合を認めないことを明らかにし、ウクライナの選挙をウクライナ統一を明確に表明したと称賛し、ロシアに新しく選ばれた大統領と建設的に対処するよう要請しました」と言いました。NATOはロシアに、国際的責任を尊重し、国境を越えた武器、兵器の流れを止め、ウクライナの武装した分離主義者を支援するのを止めるようにも要請したと、彼女は付け加えました。

 後にグラシュコ特使は、ヨーロッパ東部と中部に大きな軍の配備があるなら、ロシア政府はNATOとの協力条約から手を引き、軍事的性質の措置を講じるかも知れないと言いました。「我々は大臣たちが決定を下すのを静観します」と彼は言いました。「しかし、それがヨーロッパ中部と東部に相当なNATO軍資産の追加配置を意味するのなら、我々はその理由を尋ねるところです。たとえそれが部隊の交代として行われたとしても、我々はそれを、基本決議を含めた基本的なロシアとNATOの文書に関する直接的な義務違反以外の何者としても見るのは難しいでしょう」「こうしたことすべてはヨーロッパを冷戦時代へ戻し、軍拡競争を始めさせかねません」。

 BBCによれば、ウクライナ東部の分離主義者数百人が、ルハンシク(Luhansk・kmzファイルはこちら)に近い国境指揮所に対する攻撃を続けていると、国境警備隊は言います。

 この攻撃で民兵5人が死に、8人が負傷しました。国境警備隊員7人が負傷しました。ウクライナ軍機が指揮所を支援するために呼び出されました。

 ルハンシクでは数週間前に分離主義者が占領した主要な建物で爆発がありました。爆発の原因は分かっていません。未確認の報告では犠牲者が出たとあります。

 親ロシアグループはウクライナ軍が空爆を行ったと非難しました。ウクライナ政府は主張を否定し、建物内の分離主義者が携帯型対空ミサイルシステムの操作を誤ったと言いました。

 モスクワではロシア外務省が声明で「ウクライナ政府は彼らの国民に対してもう一つの犯罪を犯しました」と言いました。

 約500人の親ロシア民兵が襲撃に参加したと考えられています。国境警備隊は戦闘は続いており、狙撃兵を含む攻撃者は居住用の建物の中から発砲しています。それはウクライナ軍が対応するのを難しくしています。

  AP通信が軍服を着ていると報じた攻撃者たちは、降伏して、武器を置くのなら、ウクライナ当局者の安全を保証すると約束しました。短い停戦がありましたが、後に再開しました。

 ウクライナ軍から武器と弾薬を得ようとして、特派員は分離主義者が政府が支配する場所への襲撃でさらに攻撃的になっていると言います。


 記事は一部を紹介しました。

 グラシュコ特使の話はあまり真剣に受け取る必要はなく、NATOに対して予防線を張っていると見ればよいでしょう。直ちに、NATOから完全に離れるのは、ロシアにとっても得策ではありません。

 次の展開は、NATOがロシアから多少の距離を置いて、状況を観察することです。

 ルハンシクの襲撃で気になるのは、携帯型対空ミサイルの誤操作が本当かどうかです。やはり、民兵は対空ミサイルを持っているようです。これがウクライナ軍から奪った物か、ロシア軍などの国外の勢力が渡した物かが気になります。

 500人という民兵の数は概算でしょうが、かなりの数です。これだけの反政府勢力がいて、おそらくは、まだ大勢がいるわけで、ウクライナ政府の対応が難しいのは言うまでもありません。今後もタフな戦いが続くことになります。

 お分かりのように、こうした本物の紛争の厳しさと、現在、日本国内で行われている集団的自衛権の議論のぬるさは比較のしようもありません。到底、本物の軍事紛争には使えないような議論を真剣にすることの愚かさに誰も気がついていないのです。


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