南スーダンが世界で一番脆弱な国へ

2014.6.27


 BBCによれば、アメリカに拠点を置く機関「平和基金会(The Fund for Peace)」は、世界で最も新しい国、南スーダンを最も脆弱な国のリストの先頭にあげました。(リストはこちら

 慢性的な不安定性、リーダーシップの分裂、増加する民族紛争が南スーダンを最も脆弱な国にしたと、同研究所は言いました。リストのトップ6ヶ国はサハラ以南のアフリカ地域にあります。アフガニスタンは7番目で、イエメン,ハイチ、パキスタンが続きます。シリアは15番目です。

 平和基金会は過去十年間、社会的、経済的、政治的指標を分析して、リストを編集しています。

 2014年に最も改善された国は、イラン、セルビア、ジンバブエ、キューバで、これらはすべてアメリカと冷ややかな関係にありました。対照的に、アメリカとフランスは政治的、経済的な低迷で状況が最も悪化した国のひとつでした。

 南スーダンは2008年以来トップだったソマリアと順位が置き換えられました。それでも、治安状況は中央アフリカ共和国で2014年に最も悪化しました。


 記事は一部を紹介しました。

 この調査は、12項目について10点満点で各国を評価し、その順位を並べたものです。点数が大きい方が国の状況は悪いということです。最高得点120点で、ソマリアは3項目で10点満点でした。ちなみに、日本はアメリカの二つ上の157位でした。

  • 人口圧力(Demographic Pressures)
  • 難民と国内難民(Refugees and IDPs)
  • 集団の不満(Group Grievance)
  • 航空旅客数(Human Flight)
  • 不均等発展(Uneven Development)
  • 貧困と経済的衰退(Poverty and Economic Decline)
  • 国家の正当性(Legitimacy of the State)
  • 公的サービス(Public Services)
  • 人権(Human Rights)
  • 保安機構(Security Apparatus)
  • 支配層の分裂(Factionalized Elites)
  • 外国の介入(External Intervention)

 客観的な評価だけでは、現状を把握できませんが、このデータは目安として活用するには有益です。

 平和基金会のホームページに掲載された、色分けした地図を見れば、世界中のほとんどの国が不安定で、特に中央アフリカがひどいことが分かります。

 2005年の第1位はコートジボアールで106.0点。その後、微増する傾向にあります。むしろ、この分析の手法が誤っていることを祈りたくなる結果となっています。

 


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