シリア反政府派がこども兵を徴用

2014.6.24


 alarabiya.netによれば、人権団体「Human Rights Watch」は月曜日、報告書を公表し、シリアの反政府グループには十代の子供を軍隊に徴用するのを止めるよう、外国の支持者たちには戦争犯罪に関係しかねないと警告しました。

 人権団体は15歳の子供がアサド政権を倒すための戦闘に使われていると訴えました。一部の反政府グループは教育を提供すると装って十代を徴用しています。

 イラクとレヴァントのイスラム国家(ISIS)を含む急進派グループは、武器訓練を含んだ無償の学校教育を与えるというキャンペーンで子供を徴用し、彼らに自爆攻撃を含む危険な任務を与えています。

 この報告書はISIS、自由シリア軍、アル・ヌスラ戦線、クルド軍に関係した25人のこども兵の経験に基づいています。

 人権団体の聞き取り調査を受けた十代の子供たちは、彼らが戦闘に参加し、狙撃兵として活動し、検問所に配置され、スパイ活動を行い、負傷者の治療、弾薬やその他の装備品を前線へ運んだと言いました。

 多くの子供は友人や家族に続くために入隊したと言い、その他の者たちは2011年3月に発生した政変を要請する平和的なデモに参加した後で志願したと言いました。

 シリア内紛で戦うこども兵の数は不明ですが、反政府派に近い団体「the Violations Documentation Centre」は2011年9月以降、194人の非民間人の子供が殺されたと報告しました。

 人権団体はアサド政権に対する反乱を支援している国々が子供の徴用を止めるように訴えました。多くの者はアサド軍によって虐待された後に反政府グループに参加したと言いました。人権団体の調査を受けた少数の子供たちは、アサド軍に虐待された後で反政府グループに参加したと言いました。

 調査された子供すべては少年でしたが、クルド民主統一党(the Kurdish democratic Union Party)は検問所に配置するために少女を徴用しています。反政府派の国家連合は十代を徴用することを止めさせようとしていますが、自由シリア軍の指揮官はこの慣例を続けていると言います。クルド軍のトップは18歳に満たない者は戦うことは許されないと言いました。

 治安上、輸送上の理由で、人権団体は政府派民兵については調査をしていないと言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 こども兵の問題は発展途上国の紛争で、しばしば浮上します。シリアでも当然起きているはずの問題でしたが、このように報告書が公表されることで、その認知は高まります。

 このように、戦争で一般的に起きることは、特に理由がない限りは、どの国でも起きるものです。つまり。事前に予見できるはずのものばかりだということです。これらの不幸のセットは、切り離して考えるべきではないのです。

 大日本帝国の占領地では、従軍慰安婦などいないといった、普通起きるはずのことが、特に理由がないのに起きなかったという主張は、まず疑う必要があります。ここで言う、特別な理由とは、先日ロンドンで開催された、戦時の性的暴力撲滅サミットのような国際的活動を意味します。こうした活動がすでに行われていれば、不幸も起きなかったろうと言えます。

 戦争が巻き起こす不幸は、先進国が主導して、押さえ込んでいくしか手段はありません。現在の日本政府のように、自衛隊を派遣すればよいというだけでは足りないのです。

 


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