ウクライナ軍攻勢にロシアは声明のみ

2014.5.3


 BBCによれば、ウクライナのオレクサンドル・トゥルチノフ暫定大統領(acting President Oleksandr Turchynov)は、スラビャンスク(Sloviansk)での政府側の攻勢で、新ロシア反政府派の多くが死傷し、拘束されたと言いました。

 声明で、彼は作戦は思ったように進んでいないと言いました。反政府派はウクライナ軍のヘリコプター2機を撃墜し、パイロットと隊員各1人を殺しました。7人が負傷しました。

 ロシアの要請で国連安保理は緊急理事会を行いました。

 スラビャンスクの状況は不透明なままです。トゥルチノフ大統領は、反政府軍との戦いはウクライナ東部が人工密集地であるために、極めて複雑だと言いました。彼は新ロシア軍が民間人と人質の背後に隠れていると非難しました。

 市周辺にある親ロシア派の検問所はすべて占領したとトゥルチノフ大統領は付け加えましたが、分離主義者はいくつかの検問所は彼らの支配下にあると言いました。

 市内にいるドイツのビルド紙の記者は、地元民がウクライナ軍の戦車の前に立っているのが見られると言いました。多くは兵士たちに退却するよう言い、「撃ちなさい。我々は分離主義者です。ロシアに帰属したいだけです。撃ちなさい」と叫びました。

 それよりも早くに、ウクライナのアルセン・アヴァコフ内務大臣(Interior Minister Arsen Avakov)は、スラビャンスク・クラマトルスク地域での作戦の活動期は、現地時間午前4時30分に始まったと言いました。

 南方では、沿岸都市オデッサ(Odessa)での親ロシア抵抗者とウクライナ政府の支援者の衝突がありました。銃撃で、少なくとも3人が殺されました。

 正体不明の攻撃者がドネツク(Donetsk)近くの地元鉄道管制センターを占領し、列車運行を妨害しました。親ロシア反政府派は、ルハンシク地域(Luhansk)の市議会事務所とテレビ局から去りました。

 BBCによると、オデッサでの暴力の中で、官庁ビルの火事で少なくとも31人が殺されました。この死は親ロシア抵抗者がウクライナ政府の支持者と衝突したために起こりました。当局は、一部の人たちは煙に押され、建物から飛び降りて死亡したと言いました。

 それよりも前、トゥルチノフ大統領は、スラビャンスクでの政府攻勢で多くの分離主義者が殺されたと言いました。

 内務省の現地事務所は火事はオデッサの労働組合会館で起きたと言いました。火災がどう起きたかの詳細はありませんでした。事件の正確な経緯は不明のままですが、記者は分離主義者が建物の中にバリケードを築き、両者が火焔瓶を投げていたと言いました。内務省は死者は少なくとも31人とし、当初の死者38人を下方修正しました。

 ロシアの外務省は、ロシア政府はオデッサでの出来事に憤慨し、ウクライナ政府の無責任を非難したと言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 ウクライナ軍の攻勢と反政府派の抵抗に関する部分を抽出しました。政治的な動きの紹介は一部のみにしました。

 ロシアがまだ動きません。さらに、国連安保理の緊急理事会を招集したことで、ロシアが外交戦に持ち込んだことが重要です。理事会の決定が出るまでは、ロシアは何もできません。やはりロシアには軍事介入の意志はないと感じます。しかし、ウクライナ東部の親ロシア住民には、その姿勢は見せなければならない。そんなところで行動しているのかも知れません。

 そこで、梯子を外された親ロシア住民の悲劇が始まります。信じたロシアに見捨てられ、ウクライナ軍に掃討される気分は最悪でしょう。このまま終われば、ロシアを信用しなくなる者が増える可能性もあります。

 オデッサの火災に関しては、素人のなせる業としか言いようがありません。陣地内で火災を出さないことは一番重要なことです。敵対者が火を放つことも考えておかなければなりません。火事から逃げて、建物から飛び出したところをつかまり、リンチを受けることくらいは想定しないとダメなのです。

 あと、ヘリコプターが撃墜された理由も詳しく知りたいですね。実は記事中で、オバマ大統領がミサイルが使われた以上、自然発生的な争乱ではないと 述べているのです。ヘリコプターが対空ミサイルで撃墜されたのなら、ロシアが提供した可能性は十分あります。


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