シリア軍が新たな毒ガス攻撃を実行か?

2014.4.4


 alarabiya.netによれば、シリアの反政府派活動家は、シリア軍が火曜日にダマスカスの近くで化学兵器を使ったと訴え、意識不明の男性がベッドに横たわり、医師の治療を受けているビデオ映像を公表しました。

 ジョバル(Jobar)での攻撃は、シリア政府が国連に反政府派グループが同じ地域で毒ガス攻撃を計画しているという書簡を送った1週間後に起こりました。

 反政府派「Jobar Revo」の活動家は、酸素治療を受け、医師が注射をする男性の映像をYouTubeに投稿しました。ナレーションは木曜日の日付けと「ジョバルで毒ガス攻撃があった」と言いました。

 ロンドンに拠点を置く人権団体「the Syrian Revolutionary Coordinators Union」は、毒ガスの影響を受けた者たちはすべて「良好な状態にあった」と言いました。ジョバルでは今年、反政府軍と政府軍が断続的に戦ってきました。

 3月25日の日付けで、今週、国連が配布した書簡の中で、シリアの国連特使、バシャル・ジャファリ(Bashar Ja'afari)は、シリア政府がアブ・ナディル(Abu Nadir)という名前の男が密かにガスマスクをジョバルの反政府派支配地域に配布していたことを示す、テロリスト間の通信を傍受したと言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 反政府派はそれなりの証拠から毒ガス攻撃を主張していると思います。しかし、人権団体のウェブサイトも工事中で、記事には何も書いてありませんし、どのような状況で負傷者が出たのかが分かりません。

 シリア政府の主張はほとんど意味がありません。反政府派が毒ガスを配布したことは、反政府派が毒ガス攻撃を行ったことを示す証拠にはなりません。政府軍の毒ガス攻撃の被害を防止するためにやったかもしれないからです。

 また、シリア政府がこうした情報を意図的に流し、1週間後に毒ガス攻撃を行った謀略だと考えることもできます。いずれにしても、これらの情報だけでは、何とも言えません。追加の情報が必要です。シリア政府が化学兵器の処理が進む中で、こうした暴挙を行うかという疑問もあります。こういう場合、性急に結論を出すべきではありません。


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.