中国軍機が尖閣付近を偵察の意味

2014.2.22


 時事通信によれば、防衛省は21日、中国軍の情報収集機など2機が沖縄県・尖閣諸島周辺を飛行し、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進したと発表しました。

 うち1機は同諸島の領空から約90キロまで接近しましたが、領空侵犯はありませんでした。中国機の尖閣諸島接近が確認されたのは1月7日以来。同省が飛行目的を分析しています。


 記事には、自衛隊が撮影した中国国家海洋局のプロペラ機Y12の写真が掲載されています。 中国の偵察のやり方に注目しましょう。わざわざ低速のプロペラ機で、日本領空から十分な距離を置いて、日本の出方を探っています。北京から聞こえる主張とは乖離しています。

 中国が尖閣諸島上空を防空識別圏だと主張したいなら、速度が早いジェット戦闘機で、島の上空を飛ぶ必要があります。

 それをしないのは、緊張状態を必要以上に高めずに、日本の防空能力を確認するためです。もちろん、中国は日本の能力は大体、分かっているのですが、定期的に確認し、その記録を更新する必要があります。いざ有事となった時に、最後に確認したのが1年前だと、心許ないからです。また、中国が近い将来、日本と戦争になると考えている訳ではありません。こういう活動は、定期的に行うものなのです。

 中国は南シナ海にも防空識別圏を設定したいとしており、空母も建設中ですが、かなり性能の低い空母になりそうです。中国は拡大した経済力を背景に、軍事力も拡大して、植民地時代に強いられた外圧を跳ね返そうとしています。一部に言われるような侵略が目的ではなく、劣等感の埋め合わせと見る方が妥当です。

 しかし、投資関係者からは、中国バブルは、あと数年で弾けるとの意見が出るようになりました。それが、この勢力拡大に、どんな影響を与えるかが気になります。私は、中国がバブル崩壊から、一国主義的な発想が誤りだと学ぶことを期待しています。


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