シリア難民支援が資金不足で中止

2014.12.2


 BBCによれば、世界食糧計画(WFP)は資金不足により160万人以上のシリア難民への食糧援助計画を中止せざるを得なくなりました。

 国連機関は、計画はヨルダン、レバノン、トルコ、イラク、エジプトの難民へ食糧を買う商品券を与えると言いました。そうした援助がないと、多くの家族がこの冬に飢えると、機関は警告しました。

 WFPの理事、アーサリン・クーザン(Ertharin Cousin)は、12月だけで難民への支援に必要な6400万ドルを緊急に必要としていると言いました。


 月曜日のWFPの計画中止で、シリア難民は店で食べ物を買うための商品券を与えられ、受け入れ国の地域経済に8億ドルを投入しました。

 「WFPの食糧支援の中止は難民の健康と安全を危険にさらし、潜在的にさらなる緊張、不安定性、近隣の受け入れ国の治安に危険な状態を生むでしょう」とクーザン氏は言いました。彼女はWFPのシリア非常事態活動は現在、資金提供を緊急に必要とし、多くの寄付国の責任が果たされていないままだと警告しました。
 新しい資金が到着すれば、食べ物を買うために電子商品券を使う難民への支援を直ちに再開すると、機関は言いました。

 ベイルートにいるBBCのジム・ミュアー記者(Jim Muir)は、いまや資金が尽き、計画は中止され、難民たちはレバノンのような国以上に歓迎されなくなるだろうと言います。レバノンは110万人以上の難民で圧倒され、これ以上の受け入れはできないと判断し、国境を閉鎖しました。


 記事は一部を紹介しました。

 本当のシリア危機はイスラム国ではなく、内戦による難民の流出です。その解決を怠ってきたために、イスラム国の台頭を許してしまったことを、国際社会は認識していません。

 シリア政府の弾圧を逃れた人たちが数百万人隣国に溢れただけでなく、イスラム国というテロ組織の勃興を招いたのは、おそらく、過去最大の対テロ戦争の失策です。しかし、自分たちの失敗は認めたがらないのが国際政治で、これが議題にのぼることはありません。単純にイスラム国を非難するだけです。

 軍事に関しては、常に思考不足が伴います。国家の立場にある人たちは国家の立場でしか物事を考えません。問題が盲点に位置する場合、問題の認識が遅れ、解決は手遅れになります。こういうことがとても多いのです。

 当然、日本はいち早く支援を申し出るべきです。

 


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