元副大統領がブッシュは尋問を知っていたと証言

2014.12.12


 BBCによれば、ブッシュ政権で副大統領を務めたディック・チェイニー(Dick Cheney)は、ジョージ・W・ブッシュ大統領(President George W Bush)は、議会報告で非難されたCIAの拷問技術について、完全に情報を受けていたと言いました。

 チェイニー氏はブッシュ元大統領は計画について知るべきことをすべて知っており、報告書はたわ言でいっぱいだと言いました。

 上院報告書はCIAが計画について政治家を誤解させたと言いました。しかし、元副大統領はこれを完全に否定しました。「委員会がCIAが少し詐欺的な基準で活動していたと広めようとしていること、我々が知らされていなかったということ、大統領が知らされていなかったということはまったくの嘘です」。

 木曜日のインタビューでチェイニー氏は、完全な書類は読んでいないことを認めながらも、報告書はひどい欠陥があり、恐るべき作品だと言いました。CIAの尋問について「ブッシュ大統領は知るべきことすべて、知りたいことすべてを知っていました」と彼は言いました。「彼は技術を知っており、私の側には彼をそれから隠す努力はありませんでした」「彼は完全に知らされていました」。

 ブッシュ氏は火曜日に報告書が公表されるのに先立って反論し、テレビでCIAを弁護しました。「我々はCIAで懸命に働いて、我々のために奉仕する男女がいることは幸いです」と、彼はCNNで言いました。

 報告書は拷問で重要な情報は得られなかったと言いますが、チェイニー氏は尋問計画は人命を救い、CIAは非難ではなく信頼を受けるに値すると言いました。「事実、我が国をさらなる攻撃から守り続けるのに成功するのに不可欠だった有用な情報を生みました」。

 国連と人権保護グループは、2001~2007年の計画に関与した米当局者の起訴を要求しました。「国際法の問題として、アメリカはこれらの責任者を裁判にかけなければならないのです」と、人権と対テロ担当国連特別報告者ベン・エマーソン(Ben Emmerson)は言いました。彼は、高レベルで明確な方針が組織化されたと言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 チェイニー氏の発言は、まったく不適当です。多くのアメリカ人は「やめてくれ」と思っているでしょう。折角、議会が報告書を公表し、この件に巻き引きを図ろうとする時、あえて元副大統領が前政権のタフガイ振りを強調しようとすれば、誰もが困惑します。

 ブッシュ大統領が拷問についてすべてを知っていたとすれば、それは政権が確信的に拷問を行っていたことになりますし、CIAが正しい情報を伝えていなかったのなら、政権がCIAをコントロールできていなかったことになります。いずれにしても、米政府の暴虐振りを示す証拠にしかならないのですが、どちらかと言えば、後者の方がアメリカが受けるダメージは小さいでしょう。

 そこをわざわざ元副大統領が悪い方向へ引っ張ろうとしているのです。心あるアメリカ人なら、誰もが困惑することでしょう。

 


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.