元国防長官2人がオバマ大統領を批判

2014.11.18


 military.comによれば、元国防長官のロバート・ゲーツ(Robert Gates)とレオン・パネッタ(Leon Panetta)は、オバマ大統領とホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)スタッフが戦闘指揮官への直接通信回線を設置しようとするまでに軍を詳細に管理しようとしたとして訴えました。

 「それは私が苛々した立ち入り方でした」とゲーツ氏は、週末にカルフォルニアのロナルド・レーガン大統領図書館でのレーガン国防フォーラムで言いました。ゲーツ氏は、彼は戦略的戦術的問題に関して、大将に直接電話をするNSCのスタッフに対応しなければならなかったと言いました。ホワイトハウスも統合特殊作戦コマンド(JSOC)と直接接触しようとしました。「私はJSOCに、ホワイトハウスから電話があったら、地獄に落ちろと言ってから私に電話しろと言いました」と彼は聴衆に言いました。ゲーツ氏は、ホワイトハウスは国防総省に関することとなると、政治を方針に影響させようとしすぎたと言いました。「私は大統領はホワイトハウスで高度の集中支配を望んだと考えます。それは官僚的ではなく、政治的です」と共和党のゲーツ氏は言いました。

 同じフォーラムで、民主党のパネッタ氏は軍事問題に関してオバマとスタッフに似た批判をして、オバマが地上戦を排除した現在のイスラム国に対する作戦をあげました。「敵に自分が何をしようとしているかを言うものではありません」とパネッタは言いました。

 パネッタとゲーツは最近の著書「Worthy Fights」と「Duty」でのオバマ批判を本質的に再開していました。

 フォーラムに参加したジョン・マケイン上院議員(Sen. John McCain)は、ホワイトハウスがイスラム国に対する空爆の攻撃目標を選んでいると訴えました。「我々は以前に、このベトナム戦争映画を観ています」とマケイン議員はリンドン・B・ジョンソン大統領(President Lyndon B. Johnson)がベトナム戦争で攻撃目標を選んだことに言及しました。ゲーツ氏は、彼が最初に政府の仕事をしたジョンソン政権についても簡単に触れました。彼が仕えたすべての大統領の中で、オバマとジョンソンは最も軍隊を細かく管理しました。


 記事は一部を紹介しました。

 この種の批判はアメリカでは珍しくはありませんし、元国防長官たちの批判は一般論として間違ってはいません。

 ゲーツの性格と考え方は、彼の在任中のやり方で分かっていました。退任後に出版された本で、内幕がさらに分かりました。日本では本の内容が中途半端に紹介され、誤解が広まっただけでした。

 しかし、ベトナム戦争のジョンソン政権とオバマ政権では、その効果に違いがあります。オバマ政権は軍が勝手に動き回って、政権が意図しない方向に戦争が向かうのを恐れていると、私は解釈してます。実際、過去にはそういう動きが戦争を悪化させることがありました。

 敵に手の内を見せないというのも、戦略の常識です。しかし、軍が勝手に動かないようにするためには、あえてこれを公言し、徹底させる必要がありました。イラクで軍事顧問がもっと前線に近い場所にいたいと言い出した時、統合参謀本部議長が別の方法を検討し、それが現在のところ機能しているように見える点は、政治的な欠点ではなく、新しい戦術の誕生かも知れません。

 極めて実験的で、不安を感じる向きはあるかも知れませんが、過去の失敗を繰り返さないためには必要だと、私は考えます。

 地上軍を派遣すると言うことは、単に戦闘部隊を送るだけではありません。補給のための後方基地も置くということです。こうした環境を整えていく内に、軍隊は任務とは関係なく、その地に根を生やしたくなるものなのです。これがまた別の問題を生むこともあります。

 そこで現地の軍隊を地上軍として用い、米軍は空爆や情報提供、訓練、武器を提供することで、問題を解決しようというのが、現在の戦略です。そして、シリアのコバネ戦やイラク北部での戦いで、効果が出つつあります。

 仮に、地上軍を投入することになっても、最終段階となり、悪影響は最小限に抑えられます。

 これらは伝統的な戦略戦術とは違うので、違和感が出るのは当然です。

 マケイン議員の批判はいつもの通りなので、考慮する必要はありません。

 この記事を、また国内メディアが「元側近からも批判。オバマはいよいよ死に体」などと、面白そうに報道するかも知れません。

 


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