コバネに関して食い違う戦況報告

2014.10.9


 BBCによれば、米主導の空爆の中、クルド人戦闘員はシリアのコバネ(Kobane)でイスラム国との銃撃戦を戦っています。

 最新レポートでは、米中央軍は6回の空爆がコバネ周辺のイスラム国の兵器を破壊したと言いました。コバネ市内の当局者は、クルド軍は現在、イスラム国の戦闘員を押し戻していると言いました。

 コバネのある高官は、イスラム国民兵が街に入って以来最大の退却を余儀なくされ、多くが殺されたと言いました。「彼らは現在、コバネ市の入口にいます。砲爆撃は非常に効果的で、その結果、イスラム国は多くの陣地から押し戻されました」「コバネはまだ危険で、空爆は危険を取り除くために強化されなければなりません」。

 統合参謀本部議長マーティン・デンプシー大将(Gen Martin Dempsey)は、イスラム国がさらに知識豊富になったと言いました。「我々は可能なときに攻撃をします。彼らは、かつてやったように旗を掲げず、大きな輸送隊で移動しません。彼らは視認できたり、識別できる司令部を設けません」。

 国防総省、ジョン・カービー海軍少将(Rear Adm John Kirby)は、イスラム国との戦いは長期化し、軍事力だけで解決しない難しい戦いであり、村や町、おそらくコバネがイスラム国に占領されるのは現実だと言いました。

 米中央軍は火曜日と水曜日にコバネ南方、南西部での6回の空爆でなした損害をリストアップしました。装甲兵員輸送車1台、武装車両4台、大砲2門が破壊されました。


 記事は一部を紹介しました。

 昨日、ミステニュア高地(Mistenur)を空爆すべきだと書きましたが、記事に掲載された写真にはB-1爆撃機や高地上にあがる爆煙が写っています。米軍はやるべきことをやっているようです。

 コバネのクルド人はイスラム国が空爆で押し戻されたと言っていますが、カービー広報官は占領は必至だと言いました。どちらが正確なことを言っているのかが気になるところです。現場の人間は外部の支援を要請するために、効果が出ていると言うでしょうし、国防総省は偵察衛星などからの情報を総合的に判断しています。

 空爆はクルド人から得た情報をさらに活用して、効果を高めて欲しいものです。それから、クルド人は装甲車両を使い、コバネ周辺のイスラム国を攻撃すべきですが、どこが提供するにしても、時間的に可能かという問題があります。トルコ軍が支援するのが最も効果的ですが、トルコにはその意志はありません。コバネが陥落しないように祈るしかないのが現状です。

 


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