トルコがイラク系クルド人にシリア越境を許可

2014.10.21


 BBCによれば、2日間比較的静かだったあと、コバネ(Kobane・kmzファイルはこちら)で激戦が勃発しました。

 クルド人は街を奪おうとするイスラム国民兵を押し戻したと考えられました。日曜日と月曜日に、米主導の軍隊がコバネに6回の空爆を行ったと、米軍は言いました。

 新しい戦いは、トルコがイラク系クルド人のペシュ・メルガ(Peshmerga)の戦闘員に、イスラム国と戦うためにシリアに越境することを許可した時に起こりました。トルコ国境にいるBBCのカスラ・ナッジ(Kasra Naji)は、この決定は防衛側の士気と、戦闘能力を大きく高めます。イラクのクルド地域当局は、軍隊を送る準備はできているが、今のところ命令はないと言いました。

 トルコと長きにわたる内戦を戦うトルコは、現在まで、クルド人戦闘員がシリアへ越境するのを妨げてきましたが、特派員はトルコ政府はイラクのクルド人にはより親近感を持っていると言います。

 コバネの防衛に責任を負うクルド高官、イズメット・ヒセン(Ismet Hesen)は、彼の軍隊がすでにイスラム国に対して主導権を握り、彼らは追加の人的資源よりも重火器を必要としていると言いました。

 米軍は武器、弾薬、医薬品をコバネ周辺のクルド人戦闘員に空中投下したと言いました。

 月曜の夜に、コバネの最北部で激戦が始まりました。戦いは大爆発で始まり、それは激しい小火器の発砲が続き、最後に同盟国の航空機がこの地域に攻撃しました。

 これは、時折の衝突と2回の空爆だけだった、比較的静かなほぼ2日間に続き、イスラム国民兵が街の周辺で数カ所の場所に押し戻されたと思わせました。

 それよりも前、米中央軍司令部は、日曜日と月曜日にコバネ周辺に空爆6回を行ったことを認めました。1回の空爆は空中投下で方向を間違った補給品の荷物1つを、敵の手に渡るのを防ぐために、破壊しました。残る26個の荷物は安全に届けられたと報告されます。


 記事は一部を紹介しました。

 元記事には現在の戦線を記した地図が載っていますが、街の西半分はクルド人が支配していることが分かります。国境検問はクルド人支配地域です。

 見た感じでは、このままクルド人が前進し、イスラム国を押し返せるように思えます。

 兵士よりも物資という現地高官の発言はどうかと思います。ここは一気に数の威力で、イスラム国を追い返すべきです。それはクルド側の損害も減らすはずです。また、クルド軍に増援が来ると報道されれば、それはイスラム国側に伝わり、彼らの士気は低下するはずです。

 この戦いで、イスラム国は極度に地上戦闘が強いわけではなく、必要な支援があれば、現地の軍隊で対応できることが証明されるでしょう。世界中から集まった寄せ集めの軍隊は、できることが限られているのです。

 


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.