南スーダン紛争、直接対話が始まる

2014.1.8


 BBCによれば、南スーダンの反政府派は、政府と完全な和解を達成できると、交渉代表のタバン・トン(Taban Deng)は言いました。

 ミシェル・マクレル情報大臣(Information Minister Michel Makuel)は、政府が紛争を終わらせることを約束すると言いました。

 直接対談は日曜日にアジスアベバで始まりました。火曜日、主任調停者のセヨウム・メスフィン(Seyoum Mesfin)とラズルス・サムバイヨ(Lazurus Sumbeiywo)がキール大統領との会談のために、南スーダンの首都、ジュバへ飛びました。

 主要な問題は、マシャル氏が求める、クーデター計画の容疑がかけられた12人の釈放です。キール大統領は繰り返し、彼らを裁判にかけると言い、彼らの解放を否定しました。マシャル氏はクーデター計画を否定し、キール大統領の軍隊が2015年の選挙に先駆けて、権力を握るために暴力を行使したと言います。


 記事は一部を紹介しました。

 両者の発言はまったく信用できません。外国からの圧力もあり、形ばかりの和平が整っても、その後に再び紛争が起きるかも知れません。双方の言い分はまったく食い違い、不信感が根底にあります。しかも、停戦に合意したのに、戦闘は続き、反政府派は首都を狙っています。

 お互いが戦闘を止め、軍隊を退けば済むような状況にはありません。北部の油田を反政府派が押さえていることが和平を難しくします。反政府派が戦いを終わらせることを優先し、油田を政府に返せば、政府はそれで得た資金で再び反政府派を弾圧するでしょう。政府側も、反政府派に油田を譲れば、国の収入は激減し、いずれ反政府派によって転覆させられることになります。お互いが譲れない環境なのです。

 記事にあるように、12人の政治犯を釈放すれば解決するような紛争ではないのです。どちらかが相手を打倒するまで戦いは続く可能性の方が高いのです。その方が将来の平和は長く続くと期待できます。


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