南スーダン政府が反逆罪の容疑者を起訴へ

2014.1.30


 BBCによれば、南スーダンの政治家7人は、内戦を引き起こしたクーデター未遂事件で裁判を受けます。

 その時に11人の公人が逮捕され、反政府派は彼らの釈放を和平条件にしました。裁判にかけられる人々には、レイク・マシャル元副大統領(Riek Machar)を含めた、拘留されていない3人を含みます。7人の拘留者はケニア当局に釈放されました。彼らはケニヤの首都ナイロビで、ウフル・ケニヤッタ大統領(President Uhuru Kenyatta)と共に記者会見に表れました。

 特派員は、南スーダンのパウリノ・ワナウィラ法務大臣(Justice Minister Paulino Wanawila)が発表した反逆罪の容疑は停戦の取引を危険にさらしかねないと言います。南スーダン政府はかつて、拘留者に恩赦を与える可能性を示しました。彼らはスーダン人民解放運動党の派閥の有名な政治家です。それはサルバ・キール大統領(President Salva Kiir)の政府と反政府派との憎しみを強調します。彼らの多くはマシャル氏に従います。両方の男性には南スーダンの民族分裂を越えた支持者がいますが、戦いは異なる集団の間であることが多く、反政府派はキール大統領のディンカ族を狙い、政府軍兵士はヌエル族を攻撃します。

 南スーダンのパウリノ・ワナウィラ法務大臣(Minister for Justice Paulino Wanawila)は、反逆罪容疑はすでに拘留されている4人に加えて、逃走中の3人に対して出されると言いました。「誰かが法律を犯しても、その人のところに行って、拷問したりしません。法に従って起訴するのです」。

 裁判の対象となる7人の男には以下が含まれます。


レイク・マシャル
(Riek Machar)

彼が7月に解任され動乱へ

パガン・アムム
(Pagan Amum)

元与党事務局長

オアイ・デン・アジャク
(Oyai Deng Ajak)

元国家安全保障大臣

イゼキエル・ロル・ガクロース
(Ezekiel Lol Gatkuoth)

元駐米大使

タバン・デン
(Taban Deng)

和平代表団長 停戦に署名

 国連の支援チーフ、ヴァレリー・エイモス(Valerie Amos)は、マラカル(Malakal)訪問を3日で切り上げました。何人かの人たちは休戦にも関わらず、家へ帰るのが恐いと言ったと、彼女は言いました。エイモスは、彼女と話した人たちは、完全に信頼を失い、国内の別の場所か、国外へ移住することを望んでいたと言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 クーデター未遂事件は、まだ内容が明らかではありません。Wikipediaの記事を読んでも、疑問は残ります(関連記事はこちら

 クーデター事件は12月14日に大統領警護隊のメンバーが首都のムヌキ地区(Munuki)で争いをはじめたことから始まったとされます。キール大統領は、正体不明の制服を着た者たちが与党の会議で発砲した時に始まったと主張。元高等教育大臣ピーター・アドオック(Peter Adwok)は12月15日夜、国家自由評議会の後で、キール大統領がマリアル・シエナン少将(Major General Marial Ciennoung)に、彼のタイガー大隊を武装解除するよう命じ、彼はそれを行いました。それから、武器庫の管理担当将校が武器庫を開き、ディンカ族の兵士だけを武装させました。ヌエル族の兵士がこれに疑問を抱き、両者の間で戦闘が起こり、現場指揮官と副官の注意をひきました。状況を収めることはできず、さらに多くの兵士が関与し、店を襲撃しました。

 正体不明の兵士が誰なのかもはっきりしませんが、ディンカ族だけを武装させたのなら、彼らがヌエル族だという証拠が何かあったと思われます。マシャル氏は、不満を持つ兵士がはじめたことだと主張し、クーデター計画を否定しているようです。クーデターだとすると、店舗襲撃は不合理で、マシャル氏の主張が当たっているようにも見えます。陰謀があったとしても、どこにあったのかは特定できません。偶発的な悲劇が連続した結果だったのかも知れません。

 これで裁判が行えるかも疑問ですし、逃走している者たちを裁判にかけるまでは内紛は終わりません。彼らが簡単に逮捕されるとも思えませんし、国外に出て、そこからさらに反政府活動を続ける可能性もあるでしょう。到底、紛争が終わったようには思えません。


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