シリア化学兵器攻撃の一部が判明

2013.9.7


 BBCが8月21日の攻撃に関してまとめています。記事には地図も添付されています。

  • 先だって、反政府派活動家が反政府派拠点の東ダマスカスで激しい戦闘を報告。
  • 最初の化学兵器の報告(時刻は現地時間)
アイン・タルマ(Ein Tarma) 午前2時45分
ザマルカ(Zamalka) 午前2時47分
イルビン(Irbin) 午前3時00分
  • まもなく、外傷がなく、病気にかかったとみられる人たちが病院にいる、数十本のビデオ映像がインターネットに投稿される。重傷者はみられない。
  • 犠牲者の数は初期の300人から1,000人へ急増。
  • 犠牲者はイルビン、ドーマ(Duma)、ムアダミヤ(Muadhamiya)で報告。
  • 攻撃の3日後、「Medecins Sans Frontieres」は、支援するダマスカスの3カ所の病院で、攻撃の日に、3,600人が神経毒の症状で治療を受けたことを確認。このうち355人が死亡。
  • 患者に多い症状は、麻痺、縮瞳、唾液分泌過多、呼吸困難。
  • 患者はアトロピンとその他の既知の解毒薬で治療。

 化学攻撃の前に東ダマスカスで通常兵器による交戦があったようです。これが政府軍と反政府軍のどちらの攻勢なのかは不明です。そして、その戦闘が政府軍側に不利に働いたため、政府軍が化学兵器の使用を決断したということになります。ありそうなのは、政府軍が掃討作戦を行い、反撃に遭ったために、化学兵器を使用したということです。

 ビデオ映像に映った患者は、私も最初からサリン攻撃の被害者と思いました。日本の松本サリン事件の被害者は8人、負傷者は660人です。死者355人、負傷者3,600人は、いかに攻撃の規模が大きいかを示します。

 症状はサリンの症状に合致します。

 アトロピンは神経ガスの治療に使われる薬剤なので、化学兵器が使われたという根拠の一つになります。

 状況はサリンによる化学兵器攻撃に合致します。問題は誰がこれを実行したのかです。


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