シリア化学兵器査察の範囲が判明

2013.9.28


 military.comによれば、シリアの化学兵器を追跡し、廃棄計画を検証する国連査察官は、火曜日にシリアで活動を始めます。彼らは厳しい日程と戦地での作業を強いられます。

 金曜日に化学兵器禁止機構が議論した提案は、査察官はシリア政府が場所を特定しなくても、化学兵器の疑いがある場所すべてに入ることを許可します。

 計画が承認されたら、シリア政府は、化学剤の名前と量、化学兵器に使われる弾薬の種類と量、武器と貯蔵施設、製造施設の位置を含めた、武器に関する詳細を1週間で提供することになります。

 一方、国際戦争犯罪の専門家グループは、内戦終了後に、政治家やシリア軍と反政府軍の軍人を裁くために、ダマスカスに戦争犯罪裁判所を設けることを要請しています。

 ケース・ウエスタン・リザーブ大学のマイケルています。シェルフ教授(Professor Michael Scharf)は、こういう裁判所のための法案は2年近く静かに作られていると言いました。シェルフ教授は、このグループは、戦闘員がさらなる残虐行為に加担することを防ぐことを期待して、シリアの戦争犯罪の問題を促進するために公開しようとしています。

 シリアはハーグにある常設戦争犯罪裁判所である国際刑事裁判所に参加していません。そのため、国際刑事裁判所はシリアの戦争犯罪を裁けません。


 長い記事ですが、化学兵器に関係する部分で、興味深い部分だけを紹介しました。

 合意の中に、シリア政府が認めない場所への査察が含まれていることが分かり、安心しました。これで、反政府派が疑っている施設にも査察を行えます。シリア政府が一部の施設、兵器を隠すのは難しくなりました。

 国際刑事裁判所は、第2次大戦処理のための軍事裁判より、さらに政治色のない、司法主義の裁判所を作ろうという、進行中の試みです。

 その専門家にとって、シリア内戦でなにもしないのは論外で、何らかの成果をあげようとしているのです。これは当然の動きです。私は、国際刑事裁判所の動きに注目しています。


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.