米露がシリア化学兵器協定で対立か

2013.9.25


 alarabiya.netによれば、シリア内戦に関するロシアとアメリカの交渉はまったくうまく行っていないとロシア外交官は言いました。

 「残念ながら、アメリカ人との接触の中で、ことはまったくうまく行っていません。彼らは行くべき方向にまったく行こうとしません」とセルゲイ・リャブコフ外務副大臣(Deputy Foreign Minister Sergei Ryabkov)は言いました。リャブコフ副大臣は化学兵器交渉がアメリカの軍事行動を遅らせるだけかも知れないという懸念も表明しました。彼は米当局者が、「シリア政府に懲罰を与える計画は存続すると常に言います。我々はそれから特定の結果を引き出して、国際法違反における侵略の脅威は今のところ遅らされていますが、完全に退けられていません」と言いました。

 シリアに関する安保理事会の議題において、国連憲章第7章に触れることができると、リャブコフ副大臣は言いました。第7章は、化学兵器に関する協定が破られた場合にとられる方法としてだけ、武力行使や厳しい制裁を認めます。「第7章は、協力、義務の遂行がないとか、誰かが化学兵器を使ったりすれば、違反者に対する処置の要素としてだけ話題にできます」。


 記事は一部を紹介しました。

 米露はもう少しうまく交渉をしているのかと思っていました。S-300防空システムの配備に関して、ジョン・ケリー外務大臣が巧妙な外交を展開しているのかと思っていましたが、アメリカは力押しにロシアに圧力をかけているのかも知れません。ロシアもシリアが完全に化学兵器廃棄を実行するとまでは断言できないので、容易にアメリカを押し返せないのです。

 世界で最大の権力を持つ二ヶ国の外交がこのレベルでは困ります。実際のところ、どんな交渉をしているのかを聞きたいですね。

 問題の本質は、長期化した内戦で、多くのシリア国民が難民になっていることです。それが大国のプライドを賭けた争いの場になっています。まもなく冬がやって来ます。この冬の前に内戦を終わらせる努力がなされるべきなのです。


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