シリア政府が化学兵器の情報を国連機関へ伝達

2013.9.21


 BBCによれば、米ロの取り決めに従って、シリアは化学兵器の詳細を送り始めたと、監視団体は言いました。

 化学兵器禁止機関は、シリアから更なる詳細を期待して、日曜日に予定されていた会議を延期しました。シリアは化学兵器の全リストを伝えるために、土曜日に期限を定められました。

 化学兵器禁止機関の公報、マイケル・ルーハン(Michael Luhan)は、シリアの提出は初期宣言だったと言いました。ルーハン氏は、現在、リストは機関の技術部局によって調べられていると言いましたが、内容は言いませんでした。

 国連外交官は詳細が提出されたことを認め、「それはまったく長大で、翻訳されているところです」と言いました。

 化学兵器禁止機関の幹部は来週、タイムテーブルを決めることになっていました。機関は延期された会議の日取りをできるだけ早く発表するとしています。


 記事は一部を紹介しました。

 とりあえず、物語が始まったというところです。来週決まるタイムテーブルは重要です。これを達成するために、シリア政府が本気で動くのかを見極める必要があります。それ次第で、実際に軍事行動が行われるかどうかが決まります。

 化学兵器の破壊に1年間かかるとすれば、内戦をその間に決着させることは、ほぼ不可能になります。シリア軍が劣勢になった場合、テロリストの攻撃を防ぐためにはやむを得ないと、まだ廃棄していない化学兵器をシリア軍が使いたくなるかも知れません。特に、フランスの報告書にあったように、反政府軍がダマスカスで攻勢をかけ、それに不安を感じたシリア軍が8月21日に化学兵器を使ったのです。

 この戦況はまったく知られていませんでした。戦況は刻々と動いているのに、報じられているのはごく僅かなのです。反政府派はイギリスに拠点を持っているのに、ここを使って情報発信をしていないのでしょうか。当然、シリア政府もたいした発表はしませんから、戦況は常に謎のままです。だから、再び、突如として、化学兵器の攻撃が起こり得るのです。


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