アサド大統領のインタビュー番組

2013.9.20


 military.comによれば、シリアのアサド大統領が「Fox News Channel」のインタビューで、シリアでサリンガスが使われた明白で確信的な証拠があるという国連報告書は非現実的な説明で、シリア政府が攻撃を組織したことを否定しました。

 水曜日に放送されたインタビューでアサド大統領は、テロリストたちが化学兵器の攻撃を行ったと言いました。彼はテロリストがサリンガスを使った証拠をロシアに渡し、ロシアは8月21日の攻撃のロケットが別の地域から発射された証拠があると言いました。

 「物語全体はつながりさえしません」「非現実的です。我々は化学兵器をゴウタで使いませんでした」と彼は言いました。インタビューは元民主党下院議員デニス・クシニッチ(Dennis Kucinich)と「Fox News」のグレッグ・パルコット(Greg Palkot)によって行われました。

 アサド大統領は、シリア政府が保有する化学兵器を放棄するという米ロ当局の合意を守ると言いました。彼は貯蔵物を破壊するには10億ドルの費用と1年間の期間がかかるという見積もりをもらったと言いました。「我々は部分的に参加すると言いませんでした。我々は完全に参加します。我々は書簡を送りました。我々は書類を送りました。そして、我々はこの合意の完全な要求を約束します」。

 彼はシリアが、彼が複雑な仕事になると言ったことの技術面について専門家と話す準備ができていると言いました。彼はシリアは武器のリストを提供し、専門家を現場へ連れて行く準備ができているといいました。「我々はそれを明日やれます」「それは医師の問題ではありません」「技術の問題です」

 彼は8月21日の攻撃を卑劣で犯罪だと言いましたが、誰も義映写のビデオや写真の信憑性を確かめていないと言いました。「ビデオの上に報告書を構築することはできません」「インターネット上に沢山の偽装があるのです」。

 彼は過激派が参加した反政府軍がサリンに接近できたと言いました。「サリンガスはキッチンガスと呼ばれています」「なぜか知っていますか?。誰もがサリンを自宅で作れるからです。反政府派は誰でもサリンを作れます。第二に、我々は反政府軍すべてが政府によって支援されていることを知っています。だから、そういう化学剤を持つ政府なら、それを引き渡せるのです」。

 アサド大統領は反政府軍のバランスは2年間の紛争で変わったと言いました。80〜90%のメンバーがアルカイダかその傘下だと彼は言いました。「初期の段階では、イスラム過激派は少数でした。2012年末と今年は、更なる国々からの数万人の流れにより、彼らは多数派になりました」。彼は彼らが過激派のイデオロギーを共有する者たちから財政支援を受けていると言いました。

 アサド大統領はオバマ大統領とは一度も話したことがないと言いました。それを望むかと尋ねられると、アサド大統領は対話の内容次第だと言いました。「それはおしゃべりではありません」。彼はオバマ大統領への彼のメッセージは、アメリカ国民の良識に追随するだろうと言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 この記事を読んでも、やはりアサド大統領が本気で化学兵器を廃棄しているようには思えません。別の報道でも、彼は化学兵器の廃棄にかかる費用をアメリカに出せと主張しているようです。

 インターネット上の映像が偽造だという点は、すでに専門家たちから、偽造することは難しいという指摘がなされていますし、私が見ても、これはサリン攻撃の特徴を示しています。

 サリンが自宅で作れるという話も完全な間違いです。サリンの合成は複雑です。国家元首が、サリが簡単に作れるなどとうそぶくこと自体、この国のレベルを物語っていると言えるでしょう。

 80〜90%の反政府軍がアルカイダだという説明も理解に苦しみます。実際、アルカイダがどれだけいるのかは分かりませんが、数割程度というところでしょう。

 世論が味方につかなかったオバマ大統領の足下を見るような発言もあります。これで彼が化学兵器の廃棄を真剣にやると言う者はいないでしょう。プーチン大統領が、100%化学兵器は廃棄できると宣言していますが、その一部は隠されると考えるのが妥当でしょう。


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