中国の無人機による攻撃を主張する日本政府の怪

2013.9.18


 産経新聞によれば、中国軍が無人機を尖閣諸島周辺で飛行させたことを受け、政府が国籍不明の無人機に関し、領空に侵入し国民の生命・財産に危害を及ぼしかねない事態での対処方針の策定に着手したことが17日、分かりました。

 対処方針に撃墜任務を盛り込むことも検討。航空自衛隊のパイロットに武器使用のあり方を徹底させるため、部隊行動基準(ROE)に反映させることも視野に入れます。

 ただ、パイロットが搭乗していない無人機の場合、空中での無線や警告サインが機能しない可能性が高いのです。尖閣諸島の領有で不当な主張を繰り返す中国側が、日本側の警告が伝わらないことを逆手にとり、尖閣周辺などで領空接近を常態化させる恐れもあります。政府高官は「攻撃能力のある無人機が突発的に航空機や船舶に攻撃を仕掛けてくることも念頭に置く必要がある」と指摘。このため対処方針で撃墜までの手順を定めるが、備えに万全を期すことで中国側の挑発拡大を抑止する狙いもあります。


 記事は一部を紹介しました。

 今朝のびっくりニュースがこれでした。なぜ無人機を撃墜するのに、航空機や船舶の安全を持ち出す必要があるのでしょうか?。「領空侵犯」だけで理由は十分なはずです。誰かに危害が加わる恐れを言わないと、話が通らないとでも思っているのでしょうか?。無人島の尖閣諸島付近に、どれだけの人がいると言うのでしょうか?。愚かすぎます。

 無人機の領空侵犯が確認されたら、国際周波数による呼び掛けを行い、引き返す意思を確認します。その様子をビデオ撮影などした上で、領空侵犯と判定を行った上で撃墜し、その事実を政府が発表すればよいだけの話です。

 航空機や船舶の安全が撃墜の根拠なら、これらが周辺にいない場合、撃墜できないことになります。

 つい最近、トルコ軍は自国領内に2km侵入したシリア軍ヘリコプターに警告を繰り返したあとで撃墜しています。シリア軍は越境する反政府派を監視するためのヘリコプターだったと主張しますが、トルコの行動は正当です。

 自衛隊は日本の領域を守る組織であって、個人警護が任務ではないことを、記事中の政府高官はまったく分かっていません。こういう軍事オンチの政府が集団的自衛権を言い出しているのですから、国民はまったく安心できません。


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