虐殺事件のベイルズに仮釈放なしの終身刑

2013.8.26


 military.comによれば、先週金曜日、アフガニスタンで16人を殺害したロバート・ベイルズ2等軍曹(Staff Sgt. Robert Bales)に終身刑の判決が下りました。

 ベイルズ2等軍曹は死刑を回避するために、6月に有罪を認めました。彼は木曜日に証言席に座り、2012年3月未明の攻撃について謝罪し、臆病な行為だったと言いました。

 ベイルズに仮釈放を認めてはならないと叫び、ジェイ・モース検察官(Jay Morse)は泣き叫びながら殺された少女の写真を陪審員に示しました。彼はベイルズが、任務を達成した男の秩序だった、自信に満ちた足取りで基地に戻るところを撮影した偵察機のビデオ映像を示しました。

 弁護団のエマ・スキャンラン弁護士(Emma Scanlan)は、誰もベイルズが行った残虐行為を最小限に評価することはできないけども、彼の初期の軍務を考慮して、彼に最小限の救いを残すよう、20年後の仮釈放のある終身刑を訴えました。


 記事は一部を紹介しました。

 仮釈放のある20年間の禁固だと、6年半くらい後の46歳くらいでベイルズは刑務所から出ることになります。これは短すぎるというものです。弁護士はベイルズがもう一度生活をやり直すチャンスを与えようとしたのでしょうが、これでは16人を殺害した罪をつぐなったとは言えません。結局、仮釈放のない終身刑に落ち着いた訳です。

 米軍の軍法の中では、本来、ベイルズの行為は死刑に相当します。それが一段引き下げられて終身刑になったのは、被害者がアメリカ人ではないためかも知れません。被害者が敵国の人間なので、被害感情が小さいのです。悪く言えば、これは人種差別です。これが戦争における正義の限界です。この基準で言えば、軍基地内で虐殺事件を起こしたニダル・ ハサン少佐も死刑にはできないことになります。果たして、この通りになるのかは疑問です。


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