ハサン少佐が殉教者になりたいと発言

2013.8.16


 military.comによれば、新しく公開された書面が、2009年にフォート・フット(Fort Hood)で乱射事件を起こしたニダル・ハサン少佐(Maj. Nidal Hasan)は死刑になり、殉教者になることを望んでいます。

 ハサン少佐の元主任弁護士ジョン・ガリガン(John Galligan)が「the New York Times」に提供した書面によると、ハサン少佐は精神衛生委員会に、神が自分を殉教者に選んだのだから、攻撃の最中に死にたかったと言いました。

 警察官が彼の背中を撃ち、乱闘を止めた後、ハサンは腰から下が麻痺したままです。「私は下半身不随で、生涯刑務所にいるかも知れない」と、彼は委員会に言いました。「しかし、薬物注射で死ねば、まだ殉教者になれます」。

 この書類は、ハサン少佐が裁判に耐えられると結論した報告書の一部です。2年前にハサン少佐が刑事事件から解任した後、民事弁護士を務めているガリガン弁護士は、AP通信の電話インタビューに答えていません。

 42歳のハサン少佐は、裁判の間、ほとんど沈黙して座っているので、検察官は4日間で60人以上の目撃者を尋問できました。目撃者の多くは攻撃で負傷した兵士で、血まみれで、混乱した現場を説明し、射撃者としてハサン少佐を特定しました。

 火曜日に検察官が法医学的証拠に移るとペースは遅くなり、FBI捜査官が発砲があった医療ビルで彼らが見つけたものを説明しました。

 勤続23年のFBIの銃器専門家ブレット・ミルズ(Brett Mills)は「私がそこを歩いた時、多分、私はそれまでに見たことがない最悪の現場にいました」と言いました。彼は270個以上の弾痕と痕跡を見つけました。「床は血まみれでした」。

 FBI特別捜査官のスーザン・マーチン(Susan Martin)は、捜査官たちは146個の薬莢と弾倉6個を含む多数の証拠を見つけ、数字付きのマーカーを使い果たし、付箋を使わなければならなかったと言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 ハサン少佐の裁判が始まっていながら、一度も取り上げられずにいたので、書くことにしました。この事件は過去に何度も紹介していました。

 ハサン少佐の現況はこの通りです。キンバリー・ムンレイ巡査(Sgt. Kimberly Munley)が撃った弾丸により半身不随となったままです。13人を殺したために死刑判決の公算は非常に高く、彼は望み通りに殉教者になるのでしょう。殉教者になりたいという発言自体が、善悪を把握している証拠なので、心神喪失などの判断はあり得ません。

 ハサン少佐は弁護士を使わず、ほとんど発言もしないので、裁判は早く終わる見込みです。さっさと死刑になりたいのでしょう。被告人質問になると、何か発言するかも知れません。その時に、また取り上げたいと思います。


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