米ロがシリア会議に関して前進

2013.7.3


 BBCによれば、ジョン・ケリー国務長官(Secretary of State John Kerry)は、アメリカとロシアがシリア内戦の解決を見出すための会議を開催する計画で前進したと言いました。

 「我々は選択肢のいくつかで歩み寄りました」とケリー長官は、アジア地域安全保障会議が終わったあとで、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣(Sergei Lavrov)と共に記者に言いました。ジュネーブでの会議は8月かそれ以降まで開催されないかも知れないと、彼は言いました。

 月曜日、国連の潘基文事務総長(N Secretary General Ban Ki-moon)は、会議はできるだけ早くに開催されることが重要だと言いました。「至急、暴力を終わらせるべき必要があります。すでにあまりにも多くの命が奪われ、紛争は莫大で旨を引き裂くような人道危機を引き起こしました」。

 潘事務総長は米ロのイニシアティブが、持続的な解決のために最良の機会を提供すると言い、国際社会に全力を尽くすよう要請しました。

 5月に、ケリー、ラブロフ両氏は、2012年6月30日に出された最終コミュニケの核部分に基づいた解決を受け入れるよう、シリア政府と反政府派両用を納得させるために共に活動すると発表しました。コミュニケは暴力の即時停止、アサド政権と反政府派の当局者を含んだ暫定政府の設立を求めました。しかし、会議は繰り返し遅れ、誰が参加するか、設立方法、議題に関して会合が続いています。

 潘事務総長は「シリア国民は平和と希望を望んでいます。それにも関わらず、彼らが見るものは、繰り返される死ばかりです。彼らが聞くものは、繰り返される会議だけなのです」「私は今一度、影響力を持つ人たちすべてに、シリア国民の叫びと歴史の声を聞くことを要請します。今すぐ行動してください」。

 月曜には、湾岸アラブ諸国が、ホムス市で大虐殺の恐れを防ぐために、国連安保理に緊急会合を要請しました。彼らは政府軍について戦い、ホムスで反政府派に対する攻勢を開始した、ヒズボラのメンバーについて、特に懸念していると言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 潘事務総長の懸念は当然です。シリア内戦の展開を知れば、誰だって、即時の暴力停止を求めるべきだと考えます。

 一方で、シリアに影響力を持つ米ロには、それぞれの思惑があります。それについては、これまでに何度も書いてきました。ロシアがアメリカの交渉に応じるだろうという予測は、会議の開催が遅れることにも現れていると、私は考えます。逆説的なようですが、米ロは時間をかけて、双方の利害を調整したいのでしょう。

 ロシアはこれまでのシリアにおける権益を失いたくありません。アメリカはできる限り、直接的な武力行使を避けて、内戦を終わらせたいと考えています。

 反政府派はロシア製の武器だけでなく、西欧製の武器も使うことを明言しており、アメリカの意向を無視し続けると、反政府派がアメリカ製の武器を使う羽目になりかねません。

 同時に、ロシアは対空ミサイルS-300をシリア政府に売るというカードを持っています。これはNATO軍主導の介入に大きな障害になりかねない兵器です。

 こういう環境の中では、適当なところで妥協するのが賢明なのは説明を要しません。

 心配なのは、ホムス市をシリア軍が掌握することです。ここが落ちると、シリア政府が強気に出て、会合を放棄する可能性もありそうです。よって、反政府派は和平会議が開催されるまでは、ホムスを死守しなければなりません。


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