自由シリア軍幹部がアルカイダに殺害される

2013.7.13

 BBCによれば、自由シリア軍の最高軍事評議会、カマル・ハマミ(Kamal Hamami)は戦闘計画について議論するために、ライバルグループと会っていました。

 自由シリア軍の広報は、「イラクとレバントのイスラム国家(the Islamic State of Iraq and the Levant)」から、ハマミ氏を殺したと告げられたといいました。

 BBCのポール・ウッド記者(Paul Wood)は、内戦の中の内戦が、部分的には戦利品に関し、部分的にはイデオロギーに関する戦いに参加する時、反政府派の中で高まっていると言います。

 アブ・バシル・アル・カドカニ(Abu Basir al-Ladkani)としても知られるハマニは、内戦が始まる前は肉屋で働いていましたが、彼の出身の港町、ラタキア(Latakia)で、自由シリア軍の主要な部隊を作り続けました。彼は、待ち伏せされて射殺される前、この地域での計画的な攻撃を知らせるために「イラクとレバントのイスラム国家」のメンバーと会っていました。

 最高軍事評議会は、ハマミ氏は、彼と同僚はアルカイダの主要な傘下グループ「イラクとレバントのイスラム国家」が運営する検問所に遭遇した時、ラタキアを車で移動中でした。検問所にいる反政府派は、上官の許可がいると言って彼が通過することを拒否し、ハマミ氏は検問所を取り壊さなければならないと彼らに言いました。口論になり、イラクから来たといわれる外国人聖戦戦士の一人が武器を取り、ハマミ氏を射殺しました。「イラクとレバントのイスラム国家」は、電話で彼らがアブ・バシルを殺し、最高軍事評議会全員を殺すと言いました」と公報のカセム・サーデディン(Qassem Saadeddine)は言いました。

 自由シリア軍は2011年にトルコで離反した軍人によって設立され、約40,000人のメンバーがいるといわれます。

 イラクのアルカイダは4月に、シリアのヌスラ戦線(the Nusra Front)と合併し、単一の「イラクとアル・シャム(レバント)のイスラム国家」となったと発表しました。規律正しく誠実だという評判のヌスラ戦線は、アルカイダには従うものの、合併は拒否しました。アルカイダの指導者、アイマン・アル・ザワヒリ(Ayman al-Zawahiri)は、戦闘員にシリアの「イスラム国家」のために努力するよう求めています。


 記事は一部を紹介しました。

 国内報道では、会議の最中に事件が起きたように書いていましたが、事件と会議は直接の関係は内容です。単なる、検問所でのトラブルのように思われます。電話で最高評議会全員を殺すと脅したのも、一時の興奮の仕業かも知れません。よって、このことが自由シリア軍とアルカイダ系グループの全面戦争になるのかは分かりません。それをやれば、政府軍を喜ばせ、自分たちを窮地に陥らせかねないからです。

 この種の争いが他にあるのかどうかも知りたいところです。

 また、自由シリア軍とアルカイダ系グループが共同作戦をやっていることも明らかになりました。武器供与によって、ハイテク兵器がアルカイダへ渡る可能性が強調されることにもなります。


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