クサイル攻防戦の続報

2013.6.3


 BBCによると、大勢がシリア反政府派とヒズボラとの戦闘で殺されました。

 レバノン治安筋は、バールベク(Baalbek・kmzファイルはこちら)の近くで戦闘が起こったと言いました。ヒズボラはシリアで政府府軍側で戦っていますが、戦闘がレバノン領土に及ぶことは希でした。

 赤十字社は、包囲されているクサイル(Qusair・kmzファイルはこちら)の状況悪化に驚いていると言い、街へのアクセスを要請しました。潘基文国連事務総長も、住民が逃げられるように交戦中の当事者に訴えました。。潘事務総長は、シリアのワリド・アル・ムアレム外務大臣(Foreign Minister Walid al-Moualem)に電話をかけましたが、軍事作戦が終わり次第、赤十字社がアクセスを許されるだろうと言われました。ムアレム大臣は、反政府派が昨年、街を占領した時には何も問題がなかったと言い、クサイルに関して懸念の高さに驚いていることを表明したとされます。

 ジュネーブにいるBBCのイモージェン・フークス記者(Imogen Foulkes)は、国連と赤十字社がクサイルに関して同時に緊急声明を出した事実は、彼らが現地の状況がどれくらい絶望的になったと考えているかを示していると言います。国連安保理はクサイルについて重大な懸念を表明する宣言を出そうとしましたが、ロシアが反対し、採決に必要な評議会のメンバーの満場一致を見ることができませんでした。ある外交官は、反政府派がクサイルを占領した時に声明を出していないことを理由に、ロシアが草案に反対したと言いました。

 自由シリア軍の増援は反政府戦闘員への支援を行うために北東から突破することができたと報告されます。

 人権団体「the Syrian Observatory for Human Rights」は、クサイルの反政府派は、もう一つの攻撃に対して身構えていると言います。戦車15両が街の北に集結していると、ラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)は言います。「政府軍は、ダバア空港(Dabaa airport・kmzファイルはこちら)とジャワディヤ(Jawadiya)を含めた、彼らが街の北に持つ基地を増強しています」。


 記事は一部を紹介しました。

 ジャワディヤの位置は確認が取れていませんが、レバノン国境に近いシリア領に「Jobateyah」という、似た発音の街があります。クサイルから真っ直ぐレバノンに向かう道路沿いにある点で候補の一つです。

 ようやく戦況が少し分かりました。シリア軍はクサイル北西部を支配していて、反政府軍は北東からのルーとを得ているのです。北東にはホムスから南下する幹線道路につながる4号線が走っています。

 これは厄介だという感じがします。ホムスからクサイルにかけて、反政府派がどれだけいるのかが気になります。北西部はヒズボラの支援を受けていることで、かなりの兵力があるのかも知れません。

 クサイルは北に湖、南に山がある平地の真ん中にあります。 クサイルと湖の間にダバア空港があります。この地域の反政府派に兵力があるのなら、このダバア空港を奪取することが作戦上の最優先事項です。空軍基地を政府軍に使わせないこと。逆に反政府派の集結拠点として活用できること。空港をクサイルからレバノンへの道路を監視するのに使えること。これらの理由があります。兵数が少ないのなら、クサイルへの増援だけで手一杯でしょう。この記事からすると、それが現状のようです。これでは困ります。

 15両あるという戦車は危険な存在です。反政府派は外国の支援で対戦車兵器を持っていると見られるので、政府軍もうかつには街に近づけません。


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