シリア内戦で10万人以上が死亡

2013.6.27

 military.comによれば、人権団体「The Syrian Observatory for Human Rights」は、シリア内戦で10万人以上が殺されたと言いました。

 27ヶ月の内戦で100,191人が殺されましたが、団体の理事、ラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdul-Rahman)、両者が損失についてまったく公表しないので、実数はさらに高いと予想すると言いました。

 死者の内、36,661人は民間人です。

 政府軍の死者は25,407人。17,311人は政府派民兵、169人はヒズボラの戦闘員です。

 反政府派の死者は13,539人で、2,015人は政府軍の離反者、2,518人が外国人戦闘員です。

 報告は独自に確認されていません。

 今月、国連は2011年3月から今年4月までの死者を93,000人としました。

 シリア政府は最初の数ヶ月間、死者の名前を発表しましたが、反政府活動が武装闘争になったあとは損失を発表しなくなりました。

 ラーマン氏は、政府軍の集計は軍の医療筋からの情報、政府機関のグループの情報、政府の支配地域で活動家が行った政府軍の葬儀の集計に基づくと言いました。他に反政府派支配地域で撮影されたビデオ映像に映った、後に確認された死者も政府軍の死者の情報源です。

 水曜日に、反政府軍がタルカラフ(Talkalakh・kmzファイルはこちら)から追い出された後、政府軍はレバノンとの国境地域の支配力を強化しました。町は主にスンニ派が済んでいますが、レバノン国境へ向けて歩いて行ける距離にある12のアラウィ派の村に囲まれています。この占領はレバノンから補給品と戦闘員、武器を運ぶ反政府派の能力に影響を与えます。シリア国営テレビは町の通りをパトロールし、地下トンネルを調べ、反政府から押収した武器を展示する兵士を映しました。タルカラフはホムス州にあり、首都のダマスカスと、アラウィ派の中心部であるシリアの沿岸地域を結びます。


 記事は一部を紹介しました。

 人権団体の数字は信頼してよいと思いますし、実数はさらに高いと予想すべきということにも同意します。

 シリア軍は陸軍が22万人とされていますが、イギリスの国際戦略研究所の分析では半数が離反したとされています。兵数11万人として単純に計算すると損耗率は22%で、かなり深刻なレベルまで来ていますが、まだ戦闘力を失ったとは言えない段階です。さらに、政府軍に強力な打撃を与える必要があると感じます。

 タルカラフの陥落は、クサイル陥落の延長線上にあり、沿岸地帯からクサイルまでの補給路を確保する上で重要でした。このラインをあまり太くされると、反政府派にとっては不利です。1ヶ月以内に、新しく支援国から送られた武器を使って、戦線を有利な形に立て直し、反抗をはじめないといけません。理想的には、夏の内に攻勢に出て、秋までには政府軍の残存部隊を無力化するべきです。そうしないと、また冬を迎え、シリアの民生はさらに悪化します。


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