シリア問題でロシアの本音はどこにある?

2013.6.19

 military.comによると、ロシアの軍需企業は国際社会が止めさせるよう制裁を科すまでシリア政府に武器を売り続けるだろうと、ロシアの「the Russian Technologies State Corporation」の代表団長、ウラジミール・アータヤコフ(Vladimir Artyakov)は言いました。

 アメリカは、自動火器、RPG、小口径の迫撃砲をヨルダンとトルコ国境を通じて、反政府派に出荷する予定です。オバマ大統領とプーチン大統領は月曜日にG-8サミットで会談をする予定でした。

 米ロ指導者の対決は、ロシアの国防企業がパリのエアショーで突出した時に起こりました。ロシアの航空機は、アメリカが航空機を送らないことを選んだ中、最も注目を惹きつけました。Su-35戦闘機は目下のところショーのスターです。Yak-130軽攻撃機、KA-52攻撃ヘリコプターも目立ちました。1999年にSu-30戦闘機がショーで墜落して以来、ロシアの航空機がパリで展示されるのは14年ぶりです。

 「Rosoboronexport社」「Russian Helicopters社」「Kamazs社」のようなロシアの国防企業は、国際市場に出ることを模索しており、シリアに武器を売ろうとしています。Military.comは、ロシアの主要国防企業の「Rostech社」の長、アータヤコフに、アサド大統領とのビジネスを続けるつもりかを尋ねました。「国際的な制裁がないのなら、我々は自分たちの契約を守ります」とアータヤコフは通訳を通じて言いました。「いま、我々にはシリアとのビジネスを止める理由がありません」。彼はプーチン大統領が先に出した、ロシアは同盟国を支援するのを止める計画はないというコメントを指摘しました。アータヤコフはシリアと適切に結ばれた契約があるから、アサド政権が発注した武器を発送するのを止めるのは間違っていますと言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 ロシアは武器を売ることしか考えていないようなコメントですが、私は交渉の余地が大いにあると感じています。ロシアはいま売れる武器よりも、将来に大きな利益が確保されると考えるなら、譲歩すると思います。国家と企業の結びつきが強いロシアでは、関係者は全員がこのことをよく理解しています。「制裁でもなければ止めない」という言い方は、少々意外でした。国際社会が決めたことにまでは反対しないという言い方です。リビアの飛行禁止区域設定で彼らが国連の評決を棄権したことを考えると、今回もその余地があるのかと考えてしまいます。


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