政府軍がクサイル攻勢で完全な成功

2013.6.10

 military.comによると、ヒズボラの戦闘員に支援されたシリア軍が、金曜日に2つの小村を占領し、政府軍が今週初めに占領した戦略的町の近くの3分の1に立ち入りました。

 政府軍は金曜日に、クサイル(Qusair・kmzファイルはこちら)の北方にあるサルヒヤ村(Salhiyeh・kmzファイルはこちら)とマソウディヤ村(Masoudiyeh)を占領した時にわずかな抵抗にしか遭いませんでした。木曜日、反政府派は近くのダバア村(Dabaa・kmzファイルはこちら)の支配も失いました。この攻勢は政府軍を、クサイルから撤退した反政府派が陣を取り、再編成をしたクサイル北方のバエイダ村(Buwaydah・kmzファイルはこちら)の端に進めました。国営テレビは、政府軍が金曜日の夜に村に入り、反政府派を追跡していると報じました。

 ホムスで反政府活動をしているタリク・バドラカーン(Tariq Badrakhan)によれば、ヒズボラの戦闘員は、ホムスを囲む多数の検問所でシリア兵の代理も務めています。


 記事は一部を紹介しました。

 この戦況を見る限り、クサイルは完全に政府軍の手に落ちました。

 ホムスの幹線道路につながる北東から南西に走るクサイルへ向かう道路の北側は政府軍の手に落ちました。その北側は大きな湖で、ほとんど軍の通行ができません。ホムスからクサイルへ、そしてクサイルからレバノンへ通じる道路は政府軍の補給路として完成したと見て構わないでしょう。

 これで政府軍はホムスを支援する態勢を整えたということです。反政府派からすれば、最も敵にさせるべきではない行動です。かなり失望しました。

 最近、ダマスカスからの戦況が入ってきません。首都でも反政府派が活発に活動していると、政府軍も容易に北部へ兵は送れません。ダマスカスの反政府派が動けないようなら、北部も危うくなるということです。報道されていることがすべてではないので、完全な戦況は不明ですが、現状は反政府派にとって不利です。

 シリア内戦では十分な情報が公開されていません。反政府派が急に勢力を盛り返すこともあるかも知れません。たとえば、かつてやっていたように、敵が集結しているところでは戦わず、撤退するという方針に戻ったのなら、いずれ反撃の機会があるかも知れないのです。


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