イスラエルがシリアの主張を否定

2013.5.23

 military.comによれば、イスラエル軍のベニー・ガンツ中将(Lt. Gen. Benny Gantz)は、シリア国境近くでイスラエル軍が何らかの攻撃を受ければ、シリアの指導者は尻ぬぐいをすることになると厳しく警告しました。

 ガンツ中将は、イスラエル軍が支配するゴラン高原のパトロール中に同軍のジープが攻撃を受けた数時間後に警告を発しました。

 シリアはイスラエルの車両が一晩中、停戦ラインを越えたと主張しました。イスラエル軍は、車両は軽微な損害を受けたと言いました。イスラエル軍は反撃して敵を直撃したと報告しましたが、詳細は明らかにしませんでした。

 イスラエルはシリアからの攻撃の大部分は内戦の副次的影響ながらも、火曜日を含めたいくつかの事件は意図的なものだったと言いました、

 「アサドはゴラン高原を含めて、イスラエルに対する様々な活動を拡大することを奨励し、支持しています」と、ガンツ中将はハイファ大学の会議で言いました。彼は、火曜日の事件で、イスラエル軍のパトロールは、明らかにシリア軍の陣地と確認されている場所から数回にわたって狙われたと言いました。彼は車両がシリアの領域に向きを変えたというシリアの主張を否定しました。「我々はゴラン高原がアサド大統領に活動しやすい場所になることを許さない」「ゴラン高原(の状況)を悪化させるなら、彼は尻ぬぐいをすることになる」と言いました。

 下はイスラエル軍の反撃を撮影した映像です。


 記事は一部を紹介しました。昨日の記事と情報源が共通している部分もありますが、さらに詳細になっています。

 イスラエルの主張の方が具体的なので、正確なのかという印象です。こういう場合、より具体的な証拠を開示した方が国際的な支援を得られるのであり、シリアはその競争で負けています。「俺は嘘をつかん」と言うだけではダメで、ビデオ映像や地図による証拠固めと説明が必要だということです。

 ジープは装甲板のような強力な防護を持たない車両ですから、それが軽微な損害だけなのなら、大したことはなかたったのです。昨日も言いましたが、これでゴラン高原の状況が急激に悪化するようなことはありません。状況自体がそうですし、今日分かった損害の程度はそれを裏打ちします。ガンツ中将は、警告しているだけで、さらなる攻撃がない限りは報復は行わないと言っているのです。

 国内メディアは国際情勢の報道が劣悪です。キーワードだけに注目して記事を書くから、平気で状況を間違って伝えるのです。


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