北朝鮮がスカッドを追加配備

2013.4.21


 時事通信によれば、韓国の聯合ニュースは21日、韓国政府高官の話として、北朝鮮が中距離弾道ミサイル「ムスダン」などを配置している日本海側に、短距離ミサイル「スカッド」用と推定される移動式発射車両2台を新たに配備したと伝えました。

 16日以降に咸鏡南道の日本海側に配備されたという。既に配備されたムスダン用などを含め、日本海側に配備された移動式発射車両は計9台となりました。米韓軍は、北朝鮮軍創建記念日である25日前後にミサイルを発射する可能性があるとみて、集中的な監視を続けています。

 また、別の消息筋によると、3月26日に戦略ロケット軍部隊や長距離砲兵部隊などに下された「1号戦闘勤務態勢」は今も維持。同筋は「この命令が撤回されない限り、ミサイルの脅威は続くとみられる」と話しています。 


 スカッドなら、タイプが色々あっても、射程は最大600kmです。咸鏡南道からは日本の領土には届きません。

 北朝鮮は、アメリカから反応が得られないので、韓国に圧力を加えることにしたようにも見えます。あまり意味があるとは思えません。すでに焦点は半ば弾道ミサイルから開城工業団地へ移っています。今後、ミサイルを撃っても、スカッドを海に向けて撃つだけかも知れません。

 北朝鮮は相手の反応を見ながら動いていて、最初から確固たる信念の下に動いているようには見えません。こんな軍事活動は見苦しいだけです。「1号戦闘勤務態勢」の維持で、緊張状態を引っ張るだけでは効果はありません。なにより、次の緊張演出の材料をどうするのかという疑問があります。一口で言えば、北朝鮮はネタ切れです。核兵器をネタにしたら、それ以上、強力な脅しの材料はなく、同じことを繰り返すだけです。つまりは手詰まりであり、それを克服するための変化が何か起きる可能性があります。それがよいことか、悪いことかは分かりませんが、北朝鮮高官の亡命、新しいタイプのテロ攻撃など、色々予測することは可能です。可能なら、それを事前に予測して、対応できれば、これに越したことはありません。


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