ミサイルに充填した燃料はどこへ消えた?

2013.4.20


 今日は時間がないので簡単に書きます。先に北朝鮮が弾道ミサイルに燃料を充填したという報道がありました。これについて、疑問を感じている人はいないでしょうか。

 ムスダンの燃料は、テポドン2号と同じ、非対称ジメチルヒドラジンと抑制赤煙硝酸です。赤煙硝酸は腐食性があり、腐食を防ぐために抑制剤が添加された抑制赤煙硝酸が使われています。しかし、充填したあとで抜き取るのは困難だとされます。

 スカッドとノドンはガソリンとケロシンとされ、これらは抜き取りは可能でしょう。

 CNNは、燃料充填が終わったミサイルは「ムスダン」だと報じています。情報筋は米当局者だといいます。

 この話がいつの間にかなくなり、発射の兆候はなくなったという話に変わりました。

 本来、こういうことはあり得ません。抜き取れない燃料を抜き取ったとしても、ミサイルのタンクは腐食し、再利用するにも、抑制剤として使われるフッ化水素の毒性が高く、作業は困難なのです。

 あり得ないことが進行中なのに、誰も指摘しない怪。

 燃料充填はタンクローリーを発射台に横付けし、人員を配置して、米韓の偵察機材にわざと観察させ、燃料を充填しているように見せかけただけだったと、私は推測します。

 このことは、北朝鮮がミサイルを発射しなかったことに加えて、ムスダンが張りぼてだという推定をさらに裏づけます。

 日本政府の説明不足、それを指摘しないマスコミのおかげで、国民は無用な不安の中に置かれました。

 さらに悪いことは、今回のような演出された危機を、本当の戦争の前兆と信じている人がいるということです。本当の戦争の前段階は、こんなものではありません。本物の戦争なら、人びとの顔はすでに青ざめています。

 何が本当の危険かを分かろうとしない日本社会。私はこういう現状は、将来、本当の危機が来た時に、必ず悪い影響を及ぼすと考えます。


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