開城工業団地はいまだ稼働中

2013.3.28

 時事通信によれば、北朝鮮は28日、開城工業団地に入るための韓国企業関係者の越境を認めることを韓国側に通報し、越境は通常通りに行われました。

 軍の回線が断絶しているため、北朝鮮は特別に、開城団地の管理委員会の電話で越境承認を伝えてきました。28日は韓国から約530人が北朝鮮入りし、約510人が戻る予定。 


 今朝、対上陸演習自体意味不明と書きましたが、その後、演習風景の写真に捏造の疑惑が出たと、中央日報と米時事誌の「アトランティック」が報じました(記事はこちら)。中央日報は地上の風景の食い違いを、アトランティック誌はホバークラフトの数が水増しされていると指摘しました。北朝鮮でこの種の細工は当たり前ですが、さらに失笑というところです。

 開城工業団地の状況を知りたいと思っていましたが、相変わらず変わりないことが分かりました。軍の回線を遮断し、「銃だけが通じる」とすごんだものの、電話回線は通じていた訳で、あの大げさな表現は実質的に何の意味もなかった訳です。

 北朝鮮が極めて慎重に寸止めを行っているということが分かりました。いい加減にしてくれないと、同じアジアの一員として恥ずかしいのですが。

 しかし、ここまで来ると、次の段階として、北朝鮮が一時的に開城工業団地を閉鎖してみせるパフォーマンスをやるかも知れません。この場合、韓国人全員を追い出すと、工場自体の管理ができないかどうかが問題になります。そういう施設があれば、北朝鮮は最小限必要な人員を留め置いて、残りを帰国させるという手段を使うかも知れません。本当に戦争をするのなら、全員返すか、拉致するはずです。これが次に注目すべきポイントとなります。


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.