米軍も化学兵器使用の事実なしと認める

2013.3.23

 aljazeera.comによれば、ブーティ師ら大勢が爆殺された翌日、アサド大統領が国内の過激主義を浄化すると誓いました。

 大統領から出された声明で、アサド大統領はブーティ師の師を悼み、シリア国内の過激主義と無知を根絶すると約束しました。

 「国を浄化するまで過激主義と無知を破壊するというあなたの考えに忠実であるから、あなたの、あなたの孫、祖国の殉教者すべての血は無駄に流されているのではないと、私はシリア国民に誓います」とアサド大統領は言いました。

 military.comによれば、イラクの国連特使、マーティン・ケプラー(Martin Kobler)は、木曜日に安全保障理事会で、シリアからイラクへの暴力が波及する可能性が高いと警告しました。

 ケプラー特使は、すべての民族と社会グループがテロリズム、暗殺、誘拐の標的であり続けると言いました。彼は11月から2月末までの間に、テロ行為が約1,300人の民間人の命を奪い、他に約3,100人を負傷させたと言いました。テロ行為は591人のイラク軍兵士も殺し、1,000人以上を負傷させました。

 守られず、無視されていると感じる大勢のデモ参加者が12月下旬から西部の州の通りでデモ行進しました。次第に、彼らは厳しい言葉を話し、急進的な解決を提案しました。スンニ派連合「アル・イラキア(al-Iraqiya)」の大臣が閣議を数ヶ月間ボイコットし、政治的な連合は弱体化し、政治的基盤が揺らいでいます。政府は、約3,400人の囚人を釈放し、女性の囚人を地元地域へ移動し、元バース党のメンバーだった11,000人の公共部門の退役者への年金支払いを復活させて、デモ参加者の要求に対処しました。

 イラクは約120,000人のシリア人をクルド人地域に置いており、1日に平均8,000人のシリア人が到着しています。さらに、過去数ヶ月に約80,000人のシリアに住むイラク人がイラクに戻り、イラク国内で住む場所がない120万人に加わっています。

 ケプラー特使は、帰還者と国内難民は緊急の人道支援を必要としており、この少数派は最悪の状況と基本的なサービスの欠如しかない非公式の住居で暮らしていると説明しました。

 CNNがシリアの化学兵器攻撃について、否定的な記事を掲載しました。

 バラク・オバマ大統領(President Barack Obama)と米当局者は、ここ数日間で、反政府派が政府軍に化学兵器を用いたという不動を立証する情報はないと言いました。

 アナリストたちも、シリアが化学兵器を自国民に対して使ったとはまったく考えていないと、米軍当局者は言いました。ここ数日間の間に、シリア政府が化学兵器を使わなかったという強い徴候がありますと、この当局者は詳細を提供せずに言いました。

 国営テレビが放送した、入院したシリア人のビデオの分析は、人々が化学兵器の攻撃を受けなかったことを示し、そうした攻撃を受けたように治療されていないと米軍当局者は言いました。「ビデオの中の行動は化学兵器への対応に合致しません」と当局者は言い、シリアの病院はこうした攻撃で使われる必需品が欠乏しているかも知れないと付け加えました。アナリストはビデオの中の人々が塩素のような腐食性の化学剤にさらされた可能性があると考えています。しかし、それは神経ガスやびらん性ガスのような国際条約が禁止する化学兵器を使うことと同じではありません。「何かが投下されたのですが、それは化学兵器ではなかったのです」と国防総省高官は言いました。この当局者は他の2人の当局者と同じく匿名を希望しました。

 NATO軍と米軍のレーダーと偵察衛星の情報も、攻撃が起きたとされる時刻に、ミサイルが発射された徴候を示していません。「兵器ではなかったということは、腐食剤を使ったと偽装したことを意味しません」と当局者は言いました。


 アサド大統領の声明は、彼に退陣する気がまったくないことを示しています。シリア政府のやる気を考えうる上で重要な情報です。

 ケプラー特使が示した情報は、最近、イラクの情報に接していなかったこともあって、驚かされる内容です。テロ事件が起きていることは分かっていましたが、これほどの数字とは認識していませんでした。最近、クルド人のテロ組織PKKが停戦に応じたことは、トルコとイラクの関係改善でよいニュースでしたが、イラク国内の派閥闘争が予想以上に激しいのです。アルカイダのような組織が強く関与しないと、シリアの内戦が直接イラクに関与することはありません。シリア人にとって、イラクの問題は直接関係がないからです。しかし、アルカイダが両国で同時に内紛を煽ることは可能でしょう。

 米軍が冷静にシリアの化学兵器の件を調べている点は心強く感じました。昨日書いたように、マイク・ロジャース下院議員のような扇動家の言うことに乗ってはならないのです。ミサイル発射が探知されていないという情報は目新しく、重要です。高官が述べているとおり、だからといって、シリア政府が化学兵器の攻撃を偽装したとは言えず、また、どんな形にせよ攻撃がなかったということはできません。しかし、弾道ミサイルによる化学剤の散布はなかったことは確実になりました。別の方法によって散布されたのか、あるいは別の何かなのか。今後、慎重に調査されるべきです。


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