シリア反政府派がローマ会議出席へ

2013.2.27


 BBCによれば、シリアの反政府派は、アメリカとイギリスがシリア国民へ特別な支援を約束したあとで、ローマで行われる国際会議に参加することに同意しました。

 ジョン・ケリー国務長官(Secretary of State John Kerry)と、ウィリアム・ハーグ外務大臣(British Foreign Minister William Hague)は、それに先だって、シリア反政府派にさらに支援することを認めました。ケリー長官は就任後、最初の外国訪問でイギリスを訪れていました。

 月曜日に、ゴラン高原でイスラエルとシリアの停戦を監視中の国連平和維持軍のメンバー1人が行方不明になりました。「我々は隊員の所在が不明であることを確認でき、何が起きたのかを特定するために、関連する組織と接触しています」と国連広報官は言いました。

 ハーグ大臣とデビッド・キャメロン首相(Prime Minister David Cameron)、ケリー長官は、木曜日にシリア国民評議会の代表、モアズ・アル・カティブ(Moaz Al-Khatib)に電話をして、ローマ会議に参加するよう勧めました。詳細は公表されませんでしたが、月曜日にカティブ氏は彼のグループがイタリアへ行くとフェイスブックで言いました。「評議会の指導者との議論と多くの電話の後で、評議会指導部はローマで行われるシリアの友人会議を訪問することに決めました」と声明は言いました。

 ケリー長官は火曜日にベルリンでシリアの反政府派のメンバーとロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣(Foreign Minister Sergei Lavrov)と会います。 ロンドンでケリー氏は、彼はシリア人は会議から結果が出ることを望んでいることを理解し、おしゃべりだけでなく行動することを約束しました。「反政府派が参加するのなら、我々はシリア反政府派は風の中で揺れたり、支援がどこにあるのかを疑問に思うことはないと決めています」と、彼はキャメロン首相とハーグ大臣との会談の後で言いました。「我々はシリアの反政府派にその声を適切に目的に向かわせる能力を持たせようとしています」。ハーグ大臣も、イギリスはシリア反政府派の支援を大幅に増やす準備をしていると言いました。

 月曜日の夜、ダマスカスのアル・カボウン地区(al-Qaboun neighbourhood)で、大きな爆発が報告されました。治安要員数名が自動車爆弾の爆発で殺されたと、人権団体「the Syrian Observatory for Human Rights」は言いました。反政府派は治安部隊と衝突し、この地域に迫撃砲が発射されました。


 まあ、なるようになったという感じですね。適切な段階で参加を表明するという予測が当たった形です。

 しかし、シリアへの支援に反対のオバマ大統領が、どこまで踏み込むかは疑問です。アフガニスタンからの撤退という大きな決断をしたオバマ大統領は、他の地域への介入には慎重に見えます。より中東に近いイギリスはそれなりに踏み込める理由がありますが、アメリカはどうなのかということです。それに対して、反政府派がどういう反応を示すのかという問題があります。今の段階で反政府派と支援国の協調が乱れるのは最悪です。

 ローマ会議で何が発表されるかに注目します。うまい調整がなされることを祈るしかありません。


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