シリア反政府派が国際会議をボイコットへ

2013.2.25


 BBCによると、シリアの反政府派連合は国際社会が暴力を止められないのは恥ずべき失敗だと言ったことに抗議して、一連の会議へ出席しないと言いました。

 国家評議会は、来月行われるローマでのサミットに参加しないと決めたと言いました。評議会はワシントンとモスクワでの会議への招待も断っていました。その声明はアサド大統領へ武器を提供しているとして、ロシアを名指ししました。「我が国民に対して毎日行われる犯罪にへの国際的な沈黙は、2年に及ぶ殺人に参加することを意味します」と国家評議会は言いました。「ロシアの指導層は、特に、体制に武器を提供していることで、道義的、政治的な責任を負います」。

 国際会議のボイコット決定は国家評議会の指導者、モアズ・アル・カティブ(Moaz al-Khatib)が発したイニシャティブを粉砕したと、BBCのジム・ミュアー(Jim Muir)は言いました。3週間前、カティブは暴力を終わらせるためにシリア政府の代表者を合う準備があると発表しました。このイニシャティブは、ロシアを含む国際社会から強い支持を受け、彼はワシントンとモスクワへ招待されました。この訪問は行われないでしょう。国家評議会はローマで行われる主に西欧の友好国との会議もボイコットします。

 ロシア製が提供したスカッドミサイルが反政府派が支配するアレッポを攻撃していることは、特に怒りをかっています。「何百人もの人々がスカッドミサイルの攻撃で殺され、アレッポは組織的に破壊されています」と国家評議会の声明は言いました。

 対話から手を引くという決定は外交官たちを狼狽させました。しかし、反政府派指導層は、体制との和解を含めた外交的プロセスから手を引くことは、同盟が評判を落とし、現地の実情との接点を失うことを明らかに懸念しています。

 土曜日に、アレッポ国際空港の戦いは激しくなりました。人権団体「The Syrian Observatory for Human Rights」は、政府軍と反政府軍の戦いは、兵士と補給品の輸送に使われる、空港と街を結ぶ高速道路の区画に集中していると言いました。

 alarabiya.netによれば、アレッポでミサイル攻撃による死者が58人にのぼり、戦闘で負傷したフランス人カメラマンの死亡が確認されたことで、トルコとアメリカはシリア政府を厳しく非難しました。

 アラブ首長国連邦を訪問中に、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン首相(Prime Minister Recep Tayyip Erdogan)は、多数の女性と子供の犠牲者がいるとして、アサド政権を非難しました。彼は、トルコはシリア政府が自国民に対して行っている犯罪に沈黙しないと言いました。

 エルドアン首相の声明は、木曜日にシリアで重傷を負ったフリーランスのカメラマン、オリバー・ボイジン(Olivier Voisin)がトルコで手術を受けたあとで死亡したことをフランス外務省が確認したときに行われました。

 土曜日遅く、自由シリア軍は、土曜日に少なくとも29人を殺したスカッドミサイルがアレッポで大勢を殺した後で、アレッポ国際空港への攻撃をはじめたと報告しました。

 シリアとレバノンの国境で夜間に、シリア軍と正体不明のガンマンが激戦を行い、レバノン人男性1人と4人の負傷者がでました。この事件はレバノンのマイケル・スレイマン大統領(President Michel Sleiman)がレバノン領域へ向けた発表を控えるようシリアに要請した後に起こりました。この暴力事件は、1時間前に別のレバノン人男性が死亡したことで引き起こされました。彼は土曜日に両国を分ける川の近くでシリア側から飛んで来た銃弾で殺されました。

 下の映像はmilitary.comに掲載された、イスラエルによるシリア国内爆撃を撮影したとされる赤外線前方監視装置(FLIR)の映像です(関連記事はこちら)。投稿者も、映像が本物かどうかは懐疑的としながらも、武器をトラックに積み込んでいるように見えるとしています。


 記事は一部を紹介しました。

 国家評議会は態度を軟化させてみたり、国際社会の消極性を非難したりと、意見が錯綜しているように見えます。この段階での反政府派側のボイコットはあり得ない話で、こういう決断がなされたことは珍しいと感じました。ただし、あまり大きな問題にはならないでしょう。適当な時期に、反政府派は再び参加を表明するかも知れません。

  アレッポ国際空港の戦闘は、やはり道路沿いに行われているようです。空港が補給の策源地になっているためですが、反政府派にしても、空港施設を破壊してしまうと、奪還しても使えないということになりかねません。このことが示すように、空港周辺の道路は重要なのです。空港と隣接する空軍基地から出たところにある幹線道路と高速道路は、北部の政府軍の後方支援のための重要な場所です。アレッポ国際空港と空軍基地が陥落すれば、北部では、また新しい展開があります。政府軍の残存部隊の動きはさらに鈍くなり、投稿する者が増えるはずです。いち早い陥落が求められています。

 FLIRの映像は本物らしくは見えますが、真偽は分かりません。3週間前に投稿されたものです。イスラエルが攻撃を正当化するために公開したものかも知れませんが、入手経路なども書かれていません。投稿者は自己紹介として「軍人マニア」としか書いていません。


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