ドールズ派聖職者もアサド政権に反対

2013.2.18


 alarabiya.netによれば、土曜日に、シリアのスワイダー州(Al-Suweida province)出身のドルーズ派の聖職者は、自身の教派の兵士に反政府派に加わって、アサド政権と戦うように要請しました。

 最初、インターネットの反政府派メディアによって報道された聖職者の要請は、ドルーズ派の兵士に「国民を殺す指導者」を守るのを止め、ダマスカスの南東にある州に戻るよう要請しました。ヨルダンにいるシリア国家評議会のリマ・フライハン(Rima Flaihan)は、アサド政権はどの教派も代表していないと言い、「シリアすべてが国民の殺害に反対しなければならない」と言いました。

 2012年末、国連の調査員は、シリア内紛は明らかに派閥抗争になり、すべてのコミュニティに脅威を与えるようになったと警告しました。彼らはアルメニア人、キリスト教徒、ドールズ派、パレスチナ人、クルド人、トゥルクメン人のような少数派も紛争に引き込まれたと言いました。攻撃と報復のサイクルに巻き込まれ、彼らはつく側を選び、戦う派閥から武装することを許されました。

 アダド大統領は少数派のアラウィー派の出身です。聖職者は大統領が派閥の忠誠心で支配するために、アラウィー派に政治と軍の地位を占めさせたと言いました。アラウィー派のアサド政権はイスラム主義者のテロリストが勃興する恐怖を、少数派の支援を得るために利用しました。

 スンニ派イスラム教徒は2200万人のシリア人の74%、アラウィー派は12%、キリスト教とは10%、ドールズ派は3%です。

 シリア国家評議会は、土曜日に西欧諸国に自由シリア軍に武器を供給開始するように要請を再開しました。フランスのジャン・イブ・リ・ドリアン(Defense Minister Jean-Yves Le Drian)も土曜日に、アサド大統領を追放して政権交代をもたらすために緊急行動を起こすよう要請しました。「すでにシリア国民がはらった莫大な犠牲を考えれば、政治転換を支持することで相違点を克服することは、かつてなく緊急事項です」とドリアン大臣はアラブ首長国連邦で行われたセキュリティ・フォーラムで言いました。


 この声明で、ドールズ派の兵士がどんな行動をすのかは分かりません。戻りたくても戻れない位置に配備されている可能性もありますし、政府軍はこの声明を聞いて、ドールズ派兵士の配備を変更するかも知れません。ドールズ派は本当に少数派なので、紛争に与える影響は小さいかも知れません。


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.