謎の若者集団は「白の軍隊」

2013.12.30


 BBCによれば、南スーダンで白の軍隊と政府軍が衝突しました。

 ボル(Bor)に向かっているとされるレイク・マシャル氏(Riek Machar)配下の若者に関して報道が混乱しています。

 サルバ・キール大統領(President Salva Kiir)の広報官、アテニ・ウェク・アテング(Ateny Wek Ateng)は、大半の若者が家に戻るように説得されたという初期報道を否定しました。

 国連の偵察飛行はその前に、ボルの北東50kmに若者のグループを見つけましたが、その規模は公開しませんでした。

 マイケル・マクエイ・ルエス情報大臣(Information Minister Michael Makuei Lueth)は日曜日に、ジョングレイ州のヌエル族の指導者が若者を家に帰るよう説得したと言いました。彼は小さなグループだけが残ったと言いました。しかし、大統領広報官は後で、この主張を否定し、衝突が起きたと言いました。彼は若者たちは行進を止めるという指導者の要請を無視したと言いました。「彼らは来て戦わなければ、彼らの部族のプライドが大きな屈辱を受けると考えるほど頑固なようです」「大半はまだ移動しています。約20,000人が依然として移動しています」。彼は政府軍がボルに派遣されたと付け加えました。


 記事は一部を紹介しました。

 この記事で、若者集団がヌエル族の白の軍隊で、規模が20,000人ということが分かりました。反政府派から出た、政府を裏切った元正規兵という話は、政府を狼狽させるための情報戦だったのです。

 おそらく、白の軍隊はほとんど武器を持たないでしょうから、近代兵器を持つ政府軍と数で勝負することになります。つまり、急速に敵に肉薄して、白兵戦を仕掛けるということです。こうなると、白兵戦に長けた部族兵の方が分があります。

 ボルの北東50kmは、おそらく、ボルへの幹線道路上のことでしょう。この辺は平地で、木々が点在しているような地形です。隠れる場所はなく、衝突が起きれば、どちらかが倒れるまで続くような場所です。

 白の軍隊の戦術は分かりませんが、衝突が起きると、一部が迂回して、政府軍の側面に回り込むようなら、政府軍が短時間で総崩れになる恐れがあります。それはボルでの決戦にも影響を与えます。もし、この通りになれば、反政府派が戦いの勝機をつかみ、日本の自衛隊派遣計画は根本から覆ることになります。それだけ重要な戦いです。

 戦闘は多分継続中で、結果はまだ分からないのでしょう。


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