ボルに向かって謎の若者集団が交信中の怪

2013.12.29


 BBCによると、南スーダンの反政府派指導者、レイク・マシャル(Riek Machar)に従う若者は戦略的都市ボル(Bor)に向かって行進しています。

 政府軍は現在、ジョングレイ州(Jonglei state)の州都、ボルの支配を握っています。政府は停戦を申し出ましたが、軍公報はその部隊は未だに北部の油田地帯で戦っていると言いました。

 国連の南スーダン派遣団公報のジョー・コントレラス(Joe Contreras)は、若者の行進の報告は危険な展開だと言いました。「それが心配な展開だという理由の1つは、危機が始まってから、彼らには元副大統領の旗の下で戦っている軍隊と一緒に行動する軍事的な経歴や規律がないということです」「だから、彼らのシンパシーが元副大統領に向いているように見えても、実際には彼らはワイルドカードの要素です」。彼は、彼らがマシャル氏の直接命令を受けて行動しているという証拠がないと付け加えました。

 街へ向けて行軍すると信じられている若者たちは、虫から保護するために皮膚に塗った白い灰のために「白の軍隊(the White Army)」として知られるヌエル族の民兵の一部と考えられています。南スーダン政府のマイケル・マクエイ・ルエス情報大臣(Information Minister Michael Makuei Lueth)は、マシャル氏と同じ部族の25,000人と見積もられる人々が参加していると言いました。「彼は部族の名において若者を動員することに決めました」とルエス大臣は言いました。

 しかし、反政府軍公報のモーゼス・ルアイ・ラト(Moses Ruai Lat)は、これは事実ではなく、彼らは単に政府から寝返った正規兵だったと言いました。

 首都ジュバにいるBBCのジェームズ・コプナール記者(James Copnall)は、正確に何人がボルに向かっているのか、彼らが何者かは分からないと言います。国連は日曜日に航空偵察を計画しており、その調査結果は極めて重要だと、特派員は言います。


 記事は一部を紹介しました。

 どうも心理戦のような気がする展開です。若者が白の軍隊にせよ、元政府軍兵士にせよ、25,000人もの兵士が突然現れたというのが気になります。南スーダンは徴兵制で、兵数は約194,000人とされます。単純に2分して、それぞれが政府派、反政府派についたとして、片方の兵数は97,000人。25,000人はその25%にもあたります。これだけが政府軍を見限って反政府側についたのなら、政府軍は著しく不利な状況だといえます。白の軍隊だとしても、これほどの人数を動員できるのかが疑問です。この人数は簡単には受け入れられません。

 もし、白の軍隊なら、ボルに駐屯する韓国軍の危険が増します。白の軍隊がどのような命令を受けているかは分かりませんが、正規兵よりも規律がないとなれば、跳ねっ返りたちが韓国軍駐屯地を攻撃するかも知れません。マシャル氏がそうした命令を出すとは考えにくいので、彼の命令が行き届いていれば危険はないでしょう。コントレラスが言うとおり、彼らはワイルドカードです。

 おそらく、米軍はすでに無人偵察機で状況をつかんでいると思われます。国連は偵察結果を発表するでしょうが、米軍はそうはしません。もし、韓国部隊に危険が及びそうなら、警告を出すはずです。韓国部隊に何かの動きがあるかも知れません。我々は国連の調査結果を待つしかないのです。

 もし、若者たちが正規兵で、ボルが陥落するようなら、首都も危うくなります。日本にとっては、自衛隊部隊をどうするかという判断を迫られることになります。日本政府が今日、どんな議論を行っているのかが問題です。まさか仕事納めで、何もしていないということはないでしょうね?。


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