アレッポ空爆で反政府派が和平会議欠席へ

2013.12.24


 alarabiya.netによれば、シリアの反政府派、国家連合は月曜日、政府軍がアレッポ市への空爆を止めなければ、ジュネーブでの和平会議に出席しないと言いました。

 シリア軍の軍用機は、反政府派地域へのTNT火薬を詰めた樽の投下がみられた8日間の空爆作戦で300人以上を殺害しました。「アサド政権が続けている爆撃とシリア国民を全滅させようとする試みが続けば、国家連合はジュネーブ会議に参加しません」と国家連合のバドル・ジャモウス事務局長(secretary general Badr Jamous)は言いました。

 襲撃はここ数週間、態勢支持者たちがいくつかの地域へ前進した時、西欧諸国がシリアの化学兵器廃棄に熱中し、ジュネーブ第2和平会議を準備する時に行われました。

 alarabiya.netによれば、12月15日から22日までにアレッポ市で、子供87人、女性30人、反政府派兵士30人を含む301人が殺されました。

 シリア政府の治安筋は月曜日に、地上部隊の不足がこの戦術を採用させ、民間人の犠牲が多いのは、反政府軍が住宅地域にいたからだと言いました。

 土曜日に、国家連合はこうした攻撃を止めさせるために西欧諸国に飛行禁止区域を設けるよう要請しました。「政府軍の軍用機が止められるまで、人道危機、地域的不安定、過激主義の台頭は悪化するばかりです」と、国家連合顧問のマンザ−・アクビク(Munzer Aqbiq)は言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 8日間で300人が死んだと聞いても、その記事を紹介する気にはなれませんでした。その程度の殺戮は連日のように行われているからです。しかし、今回はそれによって反政府派が和平会議を蹴るという状況が出てきました。当然、シリア軍は空爆を止めません。地上部隊が足りない以上、効果的な戦術はこれしかないからです。アル・ヌスラ戦線も和平会議を無視していますから、この会議は成功しそうにはありません。

 この記事で、北部で政府軍が戦力不足に陥っていることが分かり、状況が少し見えた気がしました。中部で攻勢をかけることもあり、北部では地上部隊が不足しているのです。

 記事がそれとなく批判しているように、化学兵器の廃棄にうつつを抜かす西欧諸国は、シリア内戦の鎮静化に貢献できていないのです。これを機会に、シリア北部に飛行禁止区域を設け、武力介入の程度を強めるべきです。うまい具合に、まもなくソチ冬季五輪がはじまります。平和の祭典を前に、ロシアは強行に動きにくいタイミングです。また、ソチ五輪を妨害するために、グルジアのテロ組織が行動を起こし、ロシアはその対応に追われるかも知れません。やるなら今のうちです。今年の失敗を何としてでも早くぬぐい去らなければなりません。


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