シリア軍が首都とホムス間の道路を支配か

2013.12.10


 BBCによれば、シリア軍はダマスカスとホムスをつなぐ幹線道路を支配しました。

 この道路は数週間、レバノン国境沿いにあるカラモウン山脈(Qalamoun mountains)での反政府軍との激戦のために閉鎖されていました。シリア軍は首都80km北にあるナブク(Nabak・kmzファイルはこちら)の大半も占領したとされます。

 週末に、反政府活動家は政府軍はそこに住む家族に対して残虐行為を行ったと主張しました。人権団体「The Syrian Observatory for Human Rights」は工業地域で子供5人が射殺されたと報告しました。意図的に血まみれにされた写真がインターネットに投稿されました。

 政府派民兵とヒズボラのメンバーに支援されたシリア軍は11月中旬に反政府軍戦闘員をカラモウン山脈から追い出し、国境を越える補給路を切断するために攻勢を開始しました。シリア軍はすでに、ダマスカスとホムスの道路に沿ったカラ(Qara・kmzファイルはこちら)とデリアティヤ(Deir Attiya・kmzファイルはこちら)を占領しましたが、ナバク周辺の戦闘は約20日間、主要道路を塞ぎ、首都への燃料配送を制限しました。

 月曜日、人権団体は政府軍は幹線道路の支配を取り戻したものの、まだ安全ではなかったと言いました。政府派新聞「al-Watan」は、政府軍はすぐに道路を再開すると予測し、ナブクまで完全な支配を延長したと言いました。また、反政府軍兵士100人が死亡・拘束されたと言いました。

 反政府派活動家はこの主張に対抗し、反政府軍はまだ町の一部を確保しており、戦闘は続いていると言います。付近の幹線道路はダマスカスと北部、地中海沿岸に沿う政府軍の拠点のつながりとして用いられています。また、シリアの化学兵器を船に積み込むために港へ運ぶためにも重要です。

 月曜日、化学兵器禁止機関は大半の有毒化学物質を国外に輸送する12月31日の最終期限に間に合わせるのは極めて難しいと警告しました。「それは非常に難しいです。特に、治安状況の面です。それはこの国で悪化しています」と、化学兵器禁止機関の長、アーメット・ウズムク(Ahmet Uzumcu)はノーベル平和賞受賞の前日に言いました。ウズムク氏はより毒性の弱い化学剤を2月5日までにシリア国外に出すのは、とても見込みがあるスケジュールで、数日間の遅れはあるかも知れないと付け加えました。しかし、彼はまだシリアのすべての化学兵器が2014年中期までに破壊することを確信していました。

 alarabiya.netによれば、ロシアは化学兵器をラタキア港へ運ぶ輸送を支援できるかも知れないと、ロシアのミハイル・ボグダーノフ副外務大臣(Deputy Foreign Minister Mikhail Bogdanov)は言いました。

 記者たちがロシア政府がラタキアへ化学兵器を移動するのを助けるために、保安あるいは輸送を提供できるかと尋ねると、「輸送の問題は議論されているところです」とボグダーノフ副外務大臣は答えました。「私の理解では、シリア政府が(出荷)を保護すべきです」。


 記事は一部を紹介しました。

 今回、シリア軍が占領したのはダマスカスとホムスを結ぶ幹線道路の真ん中あたりです。これがシリア軍にとっての進展と言えるかどうかは分かりません。これまでも撤退と奪還は繰り返されてきました。問題は化学兵器を輸送するのを、アルカイダ系の反政府派が妨害するかどうかです。自由シリア軍は化学兵器の輸送を妨害する意味はありませんが、アルカイダ系グループにとっては、攻撃目標になり得ます。そして、ロシア軍を狙いたいという動機も持ち合わせています。ロシア軍が輸送に参加することは、さらなる混乱を生み出す可能性もあります。ロシア軍が警備も担当すれば、混乱はさらに激化します。反政府派にすれば、化学兵器の輸送を理由に勢力を衰退させるようなことは避けたいでしょう。こうした思惑の中で、化学兵器を安全に輸送するのは、前例のない事態です。何が起きるかは予測できません。


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