化学兵器機関が破壊計画を採用

2013.11.18


 BBCによれば、化学兵器禁止機関は2014年中期までにシリアの備蓄を破壊する詳細な計画を採用しました。

 金曜日は最終的な破壊予定表に合意する最終期限でした。最終期限は国連が支持し、米露が調停した計画が設定しました。アルバニアが破壊作業の受け入れを拒否して後退しましたが、計画は採用されました。備蓄が破壊するために移動される場所は不明のままです。

 化学兵器禁止機関のウェブサイトに掲載された声明は、計画の下で、シリアの化学兵器は、最も安全で迅速な方法で、2014年6月30日よりも前に破壊するのを確実にするため、その領域外へ破壊するために輸送されます、と言いました。最も危険な化学兵器は12月31日までに、その他の宣言済みの化学剤は、サリンの2つの主要な成分、イソプロパノールを除いて2月5日までに除去されます。シリアの宣言済みの化学兵器施設は、リスクベースの基準に従い、12月15日から3月15日までに順次破壊されます。


 記事は一部を紹介しました。

 化学兵器禁止機関のアーメト・ウズムク長官(Ahmet Umzucu)のコメントも載っていますが、型通りの内容なので、省略しました。

 先日紹介したように、アルバニアは受け入れを拒否しました。計画は採択されたので、すでに指名されているフランスやベルギーが受け入れるしか、計画を進める手はありません。地中海でつながっている点で、フランスは第一候補でしょう。

 気になるのは、積み出し港になりそうなラタキアが反政府派と政府軍の競合地点であることです。輸送はシリア軍が行うことになりますが、車両に国連のマークをつけ、化学兵器輸送中と表示し、反政府派に攻撃をしないよう知らせることになります。アルカイダ系グループがこの車列を攻撃する可能性がある点、シリア軍がこの車列に武器などを紛れ込ませて、戦闘地域への輸送に使い、それが反政府派にばれて、攻撃を受ける可能性がある点。これらの危険が現実になると、輸送方法を変えなければならなくなります。そうなると、作業に時間がかかり、期限までに処理が終わらないかも知れません。


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.