シリアのクルド人が暫定政権を樹立へ

2013.11.13


 BBCによれば、シリア最大のクルド人政党が暫定政権を作ることになりました。

 この政権は国境紛争が終わるまで、北東のクルド人地域を支配します。シリア北部のクルド人グループは内戦から離れていようとしてきました。しかし、イスラム主義の反政府派がここ数ヶ月で、クルド人支配地域へ移動し、彼らとクルド人民兵との衝突を増やしました。クルド民主連合党(The Kurdish Democratic Union party: PYD)は、北東部、カミシリ(Qamishli)での2日間の会合の後、この動きを発表しました。

 PYDのイギリス代表、アラン・セーモ(Alan Semo)は、この政党は分離したクルド族の国を分離しようとはしていないと言いました。セーモ氏は、この地域は将来的に、統一された、民主的な、多元的なシリアに統合されると言い、クルド人と長らく戦ってきた隣国トルコは、この動きを恐れるべきものはないと付け加えました。「私はトルコはこの動きをいかなる地域的、国際的、全世界的安定への脅威ではなく、一時的なものと理解すると考えます」。PYDは、この地域の非クルド人の代表と共に、憲法と地域議会を導入する計画です。しかし、クルド人すべてがこの政権に参加するかは明らかではありません。「私はそうした性急な、一方的な動きはシリア反政府派へ障害になると見られると考えます」と、別のクルド人グループ、クルド国家評議会(the Kurdish National Council: KNC)のメンバー、ヌーリ・ブリモ(Nuri Brimo)は言いました。

 2012年夏に、シリア軍がこの地域から撤退した時、事実上、自主的なクルド人地帯が作られました。先月、クルド人戦闘員はイラクとの国境の支配をイスラム主義の反政府派グループから奪いました。シリアのクルド人は人口の約10%を形成し、多くは北東部、トルコとイラクとの国境付近に集中します。イスラム過激派の反政府派とクルド人民兵の戦いは、シリア内戦にもうひとつの層を付け加えました。


 記事はほぼ全部を紹介しました。

 見た感じでは、反政府派の動きよりもすばやい感じがします。すばやすぎて、ブリモ氏の意見も道理と思えました。

 こうした反アサド派全体を結びつける方法はないのかと思います。アルカイダ系グループは論外ですが、脈のあるグループを結びつけて、非宗教的な民主政府が樹立できれば、これ以上のものはないでしょう。しかし、アメリカにもそんなシナリオは描けないのが、現在の世界の現状です。


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