シリアで化学兵器の廃棄がはじまる

2013.10.6


 BBCによれば、シリアで化学兵器禁止機構(OPCW)による化学兵器の廃棄が始まりました。

 OPCW・国連合同派遣団当局者は次のように言いました。「廃棄と無力化の最初の日が終わり、ミサイル弾頭、投下用爆弾が移動式および固定式の混合・充填装置と共に対処されました。作業は明日とその後の数日間続きます」。シリア人が行う貯蔵物の廃棄はいくつかの施設が戦闘地域にあるため、簡単ではないと予測されます。

 OPCWが紛争中に化学兵器の武器庫の廃棄を監督するよう依頼されたのは初めてです。

 バシャル・アル・アサド大統領(President Bashar al-Assad)は、ドイツが30ヶ月間の内戦を終わらせる仲介をできると提案しました。月曜日に発売されたドイツのシュピーゲル誌のインタビューで、アサド大統領はドイツの特使が来るなら嬉しいと言いました。しかし、彼はシリア政府は反政府軍が武器を置かない限りは交渉しないと強調しました。アサド大統領は繰り返し、化学兵器を使ったことを否定し、反政府派が犯人だと言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 シリア軍でも可能な廃棄はすでに始まったようです。シリア軍の化学戦部隊にも、日常的な作業を行うために、廃棄用の設備があるのか、化学剤が入っていない武器や関連する装備品の破壊が行われたのかも知れません。

 アサド大統領がドイツ特使を待望するのは、単に、ドイツがアメリカなどの軍事攻撃に反対したからでしょうか。それで交渉が進むとは思えません。反政府派もシリア政府も、相手が降伏しない状態での交渉をする気がありません。そこにドイツ特使が入ったところで意味はありませんから、ドイツも派遣しようとは思わないでしょう。


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